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オリジナルが書きたくなってきた。

2013.02.22 (Fri)
久々に一次創作が書きたい気分。
候補としては
・今再び流行り出したMMORPG。 自分で書くなら、非レベル制のスキル制にするんだろうか。
・異世界トリップ 異世界勇者召喚から始まって、異世界召喚勇者掲示板みたいな話にまで行き着いた現代。なら少し遡って異世界失踪事件物なんて如何だろう。
・学園トリップ物――ギャルゲの世界に来てしまいました、なノリ。但し私はギャルゲが苦手。


こんな事を書いてると、中断作品の続き早く、なんて言われるんだろうなぁ……。
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03 夜の学校は魔境

2013.02.21 (Thu)

そういうわけで色々あった昼は過ぎ、漸く自由な時間、放課後も過ぎて日は沈み。
独断と偏見と法律の裏側を駆使して、簡単に言うとコネでなんとか手に入れた『寮の一人部屋』で一人ゆっくりと香るコーヒーを楽しんでいた。
いや、私は別にコーヒーにこだわりが在るとか言うわけではない。砂糖もミルクもドバドバ入れる、コーヒー好きな人間にしてみれば冒涜的と言う飲み方を好む、背徳的コーヒー好きだ。……どんな表現だ。
いや違う。話を戻そう。そもそも私がコーヒーを……いや、何処に戻そうとしているんだ私。
ではなくて。
私は多重転生トリッパーに分類される存在なのだが、そんな私に付けられたコードネームは『演算』。演算娘とか呼ばれることも在るが、大元と成った人間の人格は男性だったりする。もう凄まじい年月を女性として過ごしたし、まぁ、その、なんだ。色恋沙汰も多々繰り返した。最早男性女性に拘るような年齢でも無い。というか娘と付けられるような年齢でもないのだが、まぁその辺りは好意的に解釈しておこう。ババアとか呼ばれたくは無い。
そんな多重転生トリッパーな私は、コードネームの通り演算能力という一点にかけて、私の所属するトリッパーコミュニティー、代行の管理する部においては間違いなくトップを担っている。まぁ、その分戦闘能力においては最底辺なのだが。その代わり、私は社会性においてとても有利な存在であったりする。
例えば現在の私で言えば、私の属するコミュニティーを背後から支援して、例えば私の両親を極端に出世させて、生来中流だった家を上流に押し上げたりとか、父親を取り込んだコミュニティーを安定させたり、そのほかにも世界中の投資家の一部に私の端末を預け、適宜指示に従う限り利益を与えると言う契約で、いざという時に世界経済を裏から動かすことが可能になったりしている。
そうしたコネ、というか形成したコミュニティーを利用し、先ず最初に私が自分の利益として得たのが、この学生寮の個室という、至極如何でもいい物だったのだから、我ながら苦笑が零れた。
とはいえ今考えればこれは凄まじいファインプレーだったのかもしれない。何せあの学校の学生寮なのだ。凄まじい確立で他の転生者とバッティングしていた可能性が高いのだ。
何せ転生者には必ず付与される、というか発生するスキルに『奇運』というモノが存在する。これは物語で言う主人公属性から主人公補正を抜いた物だ。要するに、名探偵が自ずと事件に遭遇する、と言う奴。但し解決できるか不明、と言うのが奇運だ。しかも厄介なのが、この奇運同士は引き合うのだ。
だから、この部屋の外から聞こえる爆音とかはきっと気のせいだと錯覚する。完全防音の学生寮が地味に揺れているような気がするが、まぁきっと多分気のせいなのだ。

と、そんな事を考えていると、不意にスマホが音を立てて鳴り出した。綾乃から連絡でも来たのだろうかと画面を覗き込むと、其処に表示されているのは綾乃の名前ではなく、代行という不吉な二文字。
「……もしもし」
『やぁ、演算。調子は如何だい?』
「文句を言ってもどうしようもないのは理解してるが、酷いものだよ」
『はっはっは。いやまぁ、その、ゴメンね?』
と、なにやら素直に謝る代行。如何したのかと首を傾げつつ話を聞いてみて、思わず額に手を当てる。
代行曰く、最初この世界への介入以来を受けたとき、この世界に関する情報は単純に何処かの世界で発表された腐女子ゲーであり、問題が在ると言っても内側からではなく外側からの介入で十分ことが済む問題だ、と記載されていたのだ。それ故に私の休暇先としてこの世界が選ばれたのだ。
……が、その実はただの世界ではなく、腐女子ゲーを模倣して、どこぞの転生神が面白半分に生み出した世界なのだと言う。どこぞの世界でこの腐女子ゲーが流行り、其処を管理していた某転生神。リクエストをとっても全員が全員この世界をリクエストした為、なら全員此処にブッコメ! と突っ込まれたのがこの世界なのだと言う。
つまり、本来なら見過ごされていた筈の不正書類。そこに休暇半分で私が介入した為不正が発覚したという事。
この一軒で某転生神は更迭されることに。
「では、一件落着?」
『まさか。その世界に送り込まれた転生者達はもうその世界に定着してるんだし』
「………はぁ」
しかも最悪なのが、この世界のモデルとなった世界がかなりヤバイ世界だと言う点に在るのだとか。
そんな事を言いつつ、不意に手元に白い光が集まっていく。ポンッ、とVRMMO辺りのアイテムドロップが如く手元に沸いたソレ。如何見ても市販の大学ノートだ。表紙に書かれているのは、バベル語(と呼んでいる我々の言葉)で「攻略まとめ」と書かれていた。
『一応アフターケアってことで、この世界の大元になったゲームとそのスピンオフ、そのマトメと攻略情報ね』
「ありがたい。でも、何でバベル?」
『万が一内容を一般転生者に知られると拙いからね』
バベル語、というかバベル文字なら一目見ただけで読める人間はまず存在しない。余程転生を繰り返しているとかなら可能性は無いでもないが。
『出来れば見て覚えたあとは燃やして欲しい。万が一が無いとは限らないからね』
「了解」
まぁ、確かに万に一つ、『すべての言語が理解できるチート』をもった人間が居ないとも限らないのだから。
代行の言葉を聞きつつ、軽くノートに視線を走らせて、再びくらっと来た。なんだこれ。
先ず本編の学園ラブコメルート。各員に問題は無いのだが、親友キャラの寺町京子の隠し友好度がマイナスに突入した時点で発生する皆殺し編、各ヒーロールートに突入した時点で発生するライバルヒロイン事件。ヒーローの中に存在する人外ヒーロールートには流血沙汰が在るし、スピンオフが異世界トリップに退魔師モノと超能力モノと魔法少女モノ!!??
「商業展開広すぎるだろうっ!!」
『いやぁ、それほどの人気だったみたいだよ?』
しかも展開によってはスピンオフ同士でクロスオーバーするらしい。めんどくさいっ!!!
そんな事を考えつつ、ふと眼に留まったのは時系列を整理して記載されたページ。本編に加えスピンオフ側の時系列まで合わせて書かれたページの、その中の一つ。本日の日付、その夜の時間帯に一つイベントが記載されていたのだ。
何となく嫌な予感を感じつつページをチェック。
この世界の原作である『プリズム・ロード ~私と彼と学園生活っ!~』の番外編、『戦う魔法少女のお仕事』における、主人公の少女とメインヒーローの彼の出会いの話。
……今初めてこの世界の原作の名前を知ったんだけど、凄まじい。
――ではなくて。そのイベントが今晩在るのだそうだ。
「それで、私にどうしろと?」
『別にどうしろ、とは言わないよ。でもね、コレ放置するのは拙いと思う』
「というと?」
『多分だけど、転生者の子達が介入するんじゃないかな?』
原作における初対面の場面。最も印象に残るであろうそのシーン。そのシーンに介入できるとすれば……それは原作(この場合は『戦う魔法少女~』のこと)に対する大きな利点となるだろう。それを狙い、転生者達が介入を行なったとしても、まぁ不思議ではない。
『彼女達が、平穏無事に事を運べると思うかい?』
「……………………」
それは、なんだろうか。刹那的快楽主義者のあの腐女子たちに、物語を最初から最後まで見据えて、その結果最善を目指す、何て事が出来るだろうか。
彼女達がOTAKUであればまだ良かった。OTAKUは自らの快楽に素直だが、それと同時にこれでもかと言うほど根っこが臆病だ。OTAKUはHENTAIで在るが同時に紳士なのだ。臆病であるが故にそう有らざるを得ないのだ。
然し腐女子は違う。OTAKUと違い欲望に素直且つ周囲を押しのける強引さを持ち合わせている。しかも腐女子は間違っても淑女にはならない。
『マトメに書いてるんだけど、この出会いって割と重要で、裏設定で魔王の血を引く彼女が魔に魅入られたとき、愛の力で自分を取り戻す、ってシナリオが在るんだよ。まぁ、この魔法少女のは大元の腐女子ゲーと違ってヒーローが固定されてるから』
「魔王の血、愛の力、うぇぇぇ……」
ダメだ!!! 臭い、くさすぎるうううううっっ!!!
『そういや君って、そういうのダメだったね』
「確かに色濃い沙汰は経験も在る。が、そういう青臭い言葉は苦手だ」
『君の色恋沙汰って、妙に老成しているのが多かったからね』
「やかましい。平均結婚年齢は20半ばだったぞ?」
トリップなら別だが、転生の場合は前後の私はある程度別人として認識している。故に、私は何度かは結婚もしているし子供も居たりした。その子達は何処かの三千世界で平和に暮らしていると願っている。
「で、行ったほうがいいんだな?」
『休暇を続けたいならね』
まぁ、実際世界が滅びてしまえば、この世界での休暇は其処で終わりとなってしまう。この世界、腐女子が大量で面倒は面倒なのだが、エイリアンの侵略があったり謎の大怪獣が大量発生していた並行世界から侵略者ガ訪れていたりとかな面倒な状況には無い。腐女子達のことを除けばとても住み心地のいい世界なのだ。
「仕方ない。行ってくる」
『ああ。気をつけて』
言って、簡単に服を着替える。
下手に衣装を用意しても目立つので、此処は簡単にこの学園の制服を強化魔改造(見た目は同じで防御力や各種耐性が急上昇)した物の上に馴染みの白衣とバイザーを装着して、と。
「……よし」
顔が隠れているのを姿見でチェックして、最後に玄関でブーツを履いて駆け出す。
イベントのステージは学園内の体育会系エリア・南公園となっていた。女子寮からは園内バスなり電車なりで通う距離なのだが、流石にこの時間にそんな公共施設は利用できない。しかも目的が目的だ。下手をするとドンパチに巻き込みかねない。
そんな事を考えながら、目的地の公園へ向けて一気に加速した。




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この世界の裏側。魔法世界と呼ばれる、魔法使い達の世界が在る。魔法使い達はその力を使い、世界の安定と維持のために日夜努力をしている――と言うのが公式設定の一文。
但し冷静にこの世界を観察してみると、実のところは大分様相が様変わりしてしまう。
この世界における元々の魔法使いと言うのは、嘗ての時代魔女狩りから逃れた魔女達、その中に紛れ込んでいたホンモノの魔女が見つけ、現世に繋ぎ固定した一つの世界が起源だ。
この世界は人造世界であるが故、その維持には莫大なコストが掛かる。嘗てその世界を作り出した魔女達は、その世界を自らの魔力で維持しようとした。が、その結果は失敗。一つの世界を並の人間数十人で支えるなど無理に決まっているのだ。
ソレに対し魔女達は、足りないならば在るところから持って来ればいい――古来からある魔術の定理として、外部からの魔力供給を考えた。
然し生贄を使うのは絶対的に不可能。何せ彼女等を排斥したのは、そうした外道の魔術に対する恐れ。其処から逃れる為に外道に落ちては本末転倒だ。
故に彼女等が選んだのは、世界に自然に生まれる魔力の――いや、世界の生命力の結晶、マギリングピースと呼ばれる代物を集めることだ。
これは世界の生命力の余剰分が結晶化したもので、ある意味純正の魔力の結晶といっても相違ない代物だ。
このマギリングピース、魔力の純粋な結晶であるが故、同時に万能機のような能力も持つ。つまり、願いをかなえてくれるのだ。
無垢な魔力の塊に、意志と言う方向性を与えて導く。原始的な魔法に近いのだが、魔術ほど洗礼されていないが故に暴走しやすい。
この暴走したマギリングピースを回収し、自らの世界の克てとする。これが嘗ての世界において魔法世界を維持する手段であると同時に、魔女及び魔法使いを正義と秩序の側に結びつけ流事に成る。

対して現在の魔法世界。
既に魔法世界の魔法使いは現行世界にこそ劣るものの、嘗て魔法使いたちが排斥された時代の総人口には匹敵し、彼らの未によって魔法世界を支えることは可能となっている。
それに加え、次代が既に科学の時代だ。魔法と言うものが異端であると知っている魔法使い達は、魔法世界に引篭もり、既に現行世界へのマギリングピース回収は行なわれていない。
つまり、現状それは完全に放置されてしまっているという事だ。

さて、話は変わるが、このスピンオフ作品『戦う魔法少女のお仕事』における主人公、佐々木 沙希 (ささき さき) は、現世に残る魔法使いの家系だ。嘗て魔法世界において魔王を名乗った彼女の父が、勇者である母に倒され、現世へ駆け落ち。現在平和に暮らしている、と言うものだ。
勇者と魔王の両方の素質を引き継いだ彼女はその身のうちに莫大な素質を持ち、その制御のためにも幼少の砌から魔法と言う技術を練磨していた。
そんな彼女の前に不意に現れたのが、現代に現れたマギリングピース。
大気汚染や人口の増加、様々な要因から世界が弱った現代において、『地球の生命力の余剰結晶』であるマギリングピースが発生するのはありえない。
然しこの場、この学園においてだけはその条件がひっくり返る。
優れた地脈に加え、優れた人材、自然の多いこの学園は、一種の異境だ。万人が優れた才能と力を持つこの異境に溜まった力が、龍脈を通して結晶化し顕現する。これがこの物語におけるマギリングピースだ。
純粋な地球の余剰生命力結晶とは違い、現代のマギリングピースはその生成由来に人がかかわっている。それ故にオリジナルのマギリングピースに比べ、現代のソレはかなり不安定且つ暴走しやすい。
しかし肝心のソレを封印できる魔法使いは既に現代には存在しない。そう、彼女を除いては。
偶々居合わせただけの魔法少女。でも彼女は此処に生きている。そんな彼女が戦うことを決意して、守るために戦っていく勇気の御伽噺。それがこの『戦う魔法少女のお仕事』という物語だ。
……『プリズム・ロード ~私と彼と学園生活っ!~』、に比べればかなり好みの作品なのだが、如何せん現実として相対すると疲れる。

さて、思考を現在に戻そう。
到着した南公園。普段であれば既に日が沈んだ今ごろ、誰も寄り付かないこの公園は本来静かなはずだ。
然し現在その公園の中。木々に覆われた林の中の道には、薄い魔力が充満し、一種の異界――隔離結界を形成している。私は霊能力が扱えるので、一応魔術系も多少は扱える。
だからこそ分るのだが、この結界が術式として編み上げられたものではなく、単純に高純度の魔力によって形成されている場でしかないという事が。
そうして更に視界を延ばす。其処に居るのは、巨大な黒い犬のような怪物と、それと相対する茶髪の私と同じ制服に身を包み、その手の先にうす赤い魔力を溜めている少女と、その背に庇われるようにして倒れている少年。
これが原作のシーンか、と一瞬息を付きかけて、思わず溜息が洩れる。
少女と少年の視線の先。其処に立つ巨大な黒い犬。けれどもその巨大な黒い犬は少年少女に向き合っていたわけではない。

「コレが私の必殺のぉ!!」「私のこの手が唸って光る、勝利を掴めと轟き叫ぶぅ!!」「ディバイン!ディバイン!ディバイン!ディバイン! ディバイイイイイイイイン!!!!!」「ユニバアアアアアアス!!!」「今、必殺の、葬送曲!!」「我が魔剣技の冴を見よ!!」「チャンバー内正常加圧、コレでも喰らええええ!!!」

……カオスである。
案の定、とでも言うべきだろうか。目の前に広がるカオスは、腐女子転生者達によって形成されている。
つまり、本編介入ではなく、こちら側で魔法少女として活躍しよう、という思惑で現れた面々なのだろう。
まぁ、学校でハーレム建設して肉欲ウハウハ、なんて考えている連中よりは、魔法少女になって世界を影から守る私カコイイ! は幾らか健全だろう。うん、多分。
とりあえずこの現場如何したものかなぁ、なんて考えていると、不意に此方に視線を向けた魔法少女、佐々木沙希と視線が絡み合った。
小さく一つ息を吐いて、小走りに少女の下へと駆け寄っていく。
「貴女、大丈夫?」
「わ、わたしは。――っていうか、これは何ごと!? 貴女も関係者!?」
「私は違うぞ。……とりあえず、アレは連中に任せて、私達はこの場からさっさと離れたほうがいいと思うんだが?」
「そ、そう、ね?」
「ちょ、いいのかよ?!」
「君にあの戦場に対して何か出来るのかい?」
佐々木沙希のほうはすぐに納得したものの、その背後で腰を抜かしていた少年の方は若干反論を返してきて。とはいえ此処に居たところで彼に何かができるというわけでもない。
とりあえず佐々木沙希と共に少年――確か馬場蛮とかいう名前の少年の脇に腕を入れて、引き摺るようにして大急ぎでその場を後にしたのだった。





「で、説明してくれるんでしょうね?」
「その前に自己紹介だ。私は桜場雪吹。キミ達は?」
「私は佐々木沙希。高等部の一年生よ」
「俺もか? 俺は馬場蛮。同じく高等部一年生だ」
原作では私と同じAクラスであったはずの彼女と彼。然しこの世界においては腐女子転生者達の影響でBクラスに移動しているらしい。
そんな彼女等。とりあえず自己紹介をしたのだが。
「で、あれは何? 貴女は何? あれと如何いう関係!?」
「落ち着け。説明はしてやる……」
言ってから、如何したものかと本格的に頭を抱える。
とりあえず、転生者云々の話は絶対に出来ない。というか、その辺りに触れるのはルール上禁止だ。
故に語るならば、腐女子ではなく、あの怪物について。もしくは私と言う存在に関して、だろうか。
「先ず、あの怪物はマギリングピースの怪物、といって分るだろうか」
「マギリングピース? 何処かで聞いたような……」
「説明は省く。そういうものだと覚えておけ。で、あの戦っていた子達は知らん。魔法使いや魔女は私の専門外だ」
「ドキッ」
「うん?」
態々口でドキッって言う奴はじめてみた。じゃなくて。
「私は霊能力者だ。その昔死掛けたときに霊能力に目覚めて、知り合った霊能力者の下で少しだけ霊能力が扱えるようになった。此処へ来たのはその能力で違和感を感じたからだ。Did you understand ?」
「れ、霊能力者……魔法少女に霊能力者って、もう俺の社会常識はボロボロだ」
「世の中そんなものだぞ?」
言いつつ崩れ落ちる馬場蛮に呟いて、改めて佐々木沙希に視線を合わせる。
「さて、それで、魔法少女さん?」
「わっ、私は魔法少女なんて代物じゃ……」
「いや、俺の前で手を光らせておいて今さらそれは無理だろう」
「うっ……」
何か言いよどむ佐々木沙希。社会常識はボロボロとか言ってたくせに、中々いいツッコミをする馬場蛮。
「佐々木沙希。君はどうする? あえてあの戦場に突っ込むか?」
「まさか! なんで私がそんな事しなくちゃいけないのよ!! っていうか、フルネーム繋げて呼ぶな! 沙希でいいわよ」
実際、この状況なら私でも同じように判断するだろう。原作における彼女が、魔法少女としてマギリングピースに立ち向かったのは、あくまで彼女以外にマギリングピースに立ち向かえる人材が他に存在せず、彼女がやらねば誰がやる、というような状況にあったからこそ、彼女は戦場へと立ち向かっていったのだとか。
然し現状彼女の目の前に在るのは、マギリングピースの災厄だけではなく、ソレと立ち向かう数多くの魔法少女が居る戦場だ。しかも、如何見ても戦闘向けの魔法少女が多々居る戦場だ。
そんなところに、態々素人が死にに行く必要など、今の彼女は感じもしないだろう。
「ならばいい。嗚呼いう事に係わり合いに成っても、幸せに成れる要素なんて滅多にない」
「まぁ、私も自分から死にに行くような自虐的な趣味は無いわね」
その彼女の返答に満足げに頷いた。
「――ふむ、どうやら向うの戦いもそろそろ決着のようだ」
言って視線を元来た方向へと飛ばす。視線の先、南公園。其処には、静かに高まる魔力の気配を感じる。多分、最後の必殺技でもかます心算なのだろう。
……なんだろうか、数人分の必殺技で南公園が更地になるような予感を感じるのだが。まぁ、私には関係ないし。
「……ねぇ、良いのアレ」
「関わるな。ほうっておけ。私たちまであれの関係者にされるぞ!」
「……そうね。私は何も見てないし、何も聞いてない! アンタもそういう事でいいわね!」
「お、おう」
馬場蛮の答えに満足気に頷いて。とりあえず寮に戻るべく二人と共に夜の学園内を歩き出したのだった。



「ところで、二人はこんな時間になんであんな場所に? 逢引?」
「違うわよっ! 私は魔法の練習!!」
「俺は……寝てた」
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