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07 つまり、胎動とか強襲とか

2012.07.16 (Mon)
もうよく解らない周目。

最近、面白い現象が発覚した。
俺は基本的に、死亡転生によるループ移動を行っていたのだが、どうもそれ以外にループ移動の方法があった様だ。

というのは、デモンベインとリベルレギスの最終決戦直前。クトゥルーを生贄にヨグ=ソトースを召喚し、海洋上にゲートを開いたあのシーン。
あそこで、偶々ドクターの協力者をやっていた俺は、何時ものダンボールにのって覇道の艦隊を援護していた。
あまり派手な活動をしてしまうと、ニャルさんに目を付けられるので、精々ダゴンを散す程度にしか活躍しないが。
幸い俺にはクトゥルーの加護なんてものもある。直接召喚されたクトゥルーの支配力には流石に劣るが、それでも向こう側からの積極的な攻撃は嘗てに比べると大分減っている。

然しそんな中、ダゴンを散している内に、いつの間にかダンボールは周囲の艦隊から徐々に孤立していた。気付いたときには、いつの間にか石柱群のすぐ近くへと引き寄せられていた。

これは拙いと慌てて反転したところ、丁度ダンボールを門に押し込むような形でダゴンに体当たりを食らった。
慌てたのもつかの間、今度はダメージを受けた機体が盛大に暴走を始めた。

強い打撃を受けた影響か、ダンボール内部に設置された魔力コンデンサが逆流し、機体の要でもある魔力収集タービンが逆回転を始めたのだ。
タービンはつまりプロペラ。それも、ダゴンにより防護幕が壊され、むき出しになり、その上で逆回転。
つまり、タービンが、何の因果かスクリューに化けたのだ。

「にぎゃああああああああああ!!!???」

大慌てで機関停止を命じるも、ぶっ壊れた魔力コンデンサはジェネレーターまで巻き込んだらしく、どうも焦げ付いた回路が変な具合で接触、魔力収集用タービンと逆向きに直結してしまったらしい。
最早今回はコレまでかと早速諦めていると、機体はそのまますっと門の中へと突入してしまったのだ。

「ちょ、何処行く気ロボよ」
「知らん、あの世かもしれん。とりあえずあばよエルザ、ついでにドクター!!」

言いつつ、門の中に入りきった時点でダンボールが吹っ飛んだ。
まぁ、最早通常火力の爆発程度では死にはしないのだが。最低でも魔力を纏った攻撃でないと。

「で、なんだけど――カリン」
「Yes,Master 御前に」
「エセルドレーダごっこか」
「格好良かった」

マスターテリオンの走狗、愛犬などと揶揄される魔導書「ナコト写本」ことエセルドレーダ。彼女のその妄信ぶりは、同じく仕える魔導書であるカリンにも何か感じ入るところが有ったのかもしれない。

「アル・アジフの真似はしないのか?」
「――あれは萌えキャラ失格」

あー……うん。まぁ、言ってやるな。


「じゃなくて、だな」
「話を逸らしたのはマスター」
「……機神召喚!!」

話を逸らすように術式を走らせる。あふれ出す莫大な魔力に導かれ、赤いデウスマキナがその姿を表した。

うーん。
外観
ガワ
はアイオーンを魔改造した、という感じなのに、感じる魔力は完全に別物。無名祭祀書とか下手すると流血祈祷書の影響でも受けたかな?
一番似ているのはナコト写本の気配なのだが――いや、やっぱり無名祭祀書かも。

とりあえずその赤い機体――クラースナヤととりあえず名付けたその機体に身を躍らせ、即座にシャンタクを召喚する。
別に無くても飛べるのだが、シャンタクが有ったほうが安定するので。

「然し、そういえば何度も周回を繰り返しておいて、ヨグ=ソトースに突入するのは初めてだよな」
「Yes、いっつも此処に来る手前におっちんでました」
「――た、たまには生き延びただろ!」
「その場合は、世界各国で生産された破壊ロボモドキ相手に俺つえー無双してました」
「………」

デモンベインが立ち去ったその後の世界、それは、科学が台頭する魔境の時代だ。
ブラックロッジが残した、ドクターウェストの作品、破壊ロボ。各国はそれらを回収し、独自に開発を進めた。その結果訪れたのが、破壊ロボモドキが戦いあい、更には破壊ロボ対邪神なんていう場面がゴロゴロ転がる魔境な世界だった。

ま、まぁいいさ。
召喚後即座に発動させた隠匿術式。直接戦闘よりも忍んで逃げる事に定評の有る俺だ。例えこの門の内側にあろうと、逃げおおせる事に関しては外なる邪神すら欺いてみせる!!

と、そんなことを内心で考えつつ、如何したものかと機体を飛ばす。
何せ此処からの脱出は基本的に不可能。更に言うと、出口も何処にあるのやら解らない。
うーん、如何しようか。

「ダウジングを利用してみては?」
「おぉ、それだ」

カリンの提案を即座に承認。続いてバルザイの偃月刀を召喚する。
このバルザイの偃月刀って凄いよね。浮かべて回転させると、ダウジングの針にもなるんだよコイツ。
浮かべたダウジングの針に従って幾何学模様の回廊を進むと、いつの間にか何処かの宇宙空間へと降りていた。
ふむ、どうやら太陽系の内側ではある様子なのだけれども――。

「星の配置が予測と正しければ、火星と地球の間と判断」
「うげ」

火星と地球の間。確か、アイオーンのシャンタクを使っても50時間近く掛かる距離だったとか。
その半分――25時間としても、とてもではないが俺の集中力が持たない。

「ハスターの記述を使えば?」
「あ、そっか」

そうか、そうだ。シャンタクの記述に頼らずとも、より早いハスターの記述を持ってたんだっけ。いっつも軽い移動補助か牽制にしか使わないから若干忘れてた。

ハスターの記述を使う前に、懐から取り出したソレ。
黄金色に輝き、試験管の中にたゆたう液体。
コレこそ魔術的ドラッグ。術者の魔力を一時的にブーストさせる秘薬。
黄金の蜂蜜酒!!

あっま。




そうして何とかたどり着いた地球。魔力的消耗は許容量的にはまだまだ余裕なのだが、何分途轍もなく眠い。疲れると眠くなる。これは真理だ。
で、とりあえず地上に降りて、何処か宿を取りたいなー、などと考えていたら。
視線の先で、争う二つの影。いや、此処宇宙空間だし~、などと思っていたら、地上に落ちていくそれら二つの影。

「――なぁ」
「Yes、デモンベインとリベルレギスです」
「――聞く前に答えるなよぅ」
「つーん」

べ、ベタだが可愛いじゃねーか。じゃなくて。
うーん、この光景があるという事は、つまりあれは魔を断ち切れなかった魔を絶つ剣?
という事は、この後デモンベインはアリゾナへ、マスターテリオンはどこぞに消える、と?

つまり、何か。
死以外の方法で、ループした、と。

――ふーむ。

「カリン、全力で隠密を。全魔力をそれにまわせ」
「Yes,マスター」

何も聞かずに此方にあわせてくれるカリン。デウスマキナすら消して、マギウススタイルで宇宙を漂う。
アレがあるという事は、近くに――うわ、マジでいた!!

燃える三眼。這い寄る混沌。
心底楽しそうに嘲笑するそれ。如何見てもどっか逝ってるねーちゃんです。関わりたくありません。
幸い、これが最終週と言うわけでも無さそうだ。こっそりとその場を離れ、地味に背中から地球へ向けて降下開始した。

なに、幸い此方にはクトゥグアの加護がある。
更にその上からマギウス・スタイルを身に纏い、身の回りの防備はまさに完璧。

「うーし、じゃ、行こうか」
「何処に行きます?」
「うーん、折角原作の数十年前に来たんだし、折角だから何か面白いものでも探しに行こうか」

なんて、そんなことを嘯きながら、俺達は日本へ向けて降下を開始したのだった。







正直な話、ナイアルラトホテップが「幾星霜」って数えたのは、数字を読むのが面倒だったからじゃないかなと思う周目。



面白い。実に面白い。
完全攻略したと思って積んでおいたゲームを、気分転換にやったら実は更に裏ルートが存在していたとかそういう様な気分だ。
まさか、過去にジャンプして攻略を進めるなんてルートが存在していたとは。
思わず日本経済に背後から介入して、日本と言う国の国力を急成長させてしまった。
覇道財閥がナンボの物かと言わんばかりの成長。まぁ、覇道とはあまり競合しない所為で、あまり本編には関わらないのだが。

で、俺の話。
経済に介入した後で気づいたのだが、下手したらコレ、俺が生まれる下地まで変革しかねないか、と。
うわ、やべぇと焦ったときには既に遅く、仕方が無いので開き直って更に改革を進めてみた。

で、それから数十年。俺も年をとった。
驚いたことと言うかご都合主義と言うか、この世界で俺が生活するのは中々に疲れる。
多分基盤が違うものを使っているからだろうと考えていたのだが。
その所為かは知らないが、久々に老衰で死んだ。若いんだけど老衰て。



で、転生したわけなのだが。転生したのに世界が変化していない、というのも中々面白い経験だ。

「カリン」
「Yes,マスター」

転生して、6歳くらい。ある程度自分ひとりでの行動が可能になった時点で、即座にカリンを呼び出した。
まだ幼い俺とカリンでは、流石にカリンのほうが年上に見える。うーん、頬を染めるなカリン。

早速“嘗て”の俺が用意しておいた資金の情報などを調べようとして、思わず何かに引っかかった。

首をかしげて、次いで己のステータスをチェックして、思わず頬が引きつるのがわかった。
鑑定眼によるスキル表示には表示されていないが、それでも俺にはわかる。
俺の魂が、若干ではあるが、今までに類を見ないほどに急激に変質しているのだ。

「……これは……。カリン、この状態でよく気付けたな」
「Yes,何せ、私はマスターとダイレクトに接続していますから」
「ふむ――原因はわかるか?」
「予想です。前回の魂がこの世界に来訪した事による影響かと」
「――おぉ」

成程、と理解する。

本来あるべきループとは、大十字九郎とマスターテリオン、両者が生まれた世界を飛び立ち、過去に近い平行宇宙を訪れる、と言うものだ。
大十字九郎と言う存在がループにより過去を訪れる事で、全く同じ魂が二つ存在する、という矛盾が発生する。
世界はこの矛盾を解消すべく、新たな大十字九郎の魂を若干変質させる。――より、魔の属性に高い親和性を持たせて。
ニャルラトテップはこの性質を利用し、人工的――いや、神造的に、白き王を生み出そうとしている。

今回の俺の急激な成長。もしかして、このループによる変異が俺にも適用された――?

「……面白いじゃないか」
「Yes,私も、コレまでに無いほど快調です」

ニヤリ、と笑みを浮かべる。
これは、色々挑むチャンスだ――!!
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