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03 訓練

2012.06.08 (Fri)
と言うわけで、スバル・スカリエッティ(外見年齢6歳)です。
今現在私は、最年少IS操縦者として、オーストラリアでナンバーズコーポ代表として頑張ってます。
といっても基本的には幼稚園小学校と通っているので、その合間を縫ってトーレ姉に戦闘訓練をつけてもらっているだけなのですが。

ギン姉ぇ? ギン姉ぇは普通に小学校に通って、極普通の一般人として活躍しています。

「視線は逸らすな。何のためにドクターが疑似ハイパーセンサーをお前に仕込んだと思っている!!」
「はい!!」
「動きを止めるな。常に全速で動き続けろ! ただし回避は常に最低限に!!」
「はいっ!!」
「一点に集中するな!! 常に! 全体に! 集中しろ!!」
「はいぃっ!!」

現在の訓練は、高機動強行突撃訓練。
想定としては、IS単機で敵の防衛網を突破し、敵本陣に一撃離脱を仕掛けるというもの。
渓谷の上には高射砲が多数存在し、唯一の攻略ルートである谷間を全速で飛びぬけるという代物。
よくエスコンにあるステージですねわかります。

「――っ、うぁっ!!」
「馬鹿者がっ!! 対IS用浮遊機雷だ。即座に対応しろっ!!」

ドォンッ!! という衝撃と共に激しく揺れるRAY。
咄嗟に体勢を立て直し、慌てて前方を目視。

ISのハイパーセンサーは、ISを中心に360度を広くカバーする万能センサーだ。
しかしさすがのISにも限界と言うものは存在する。ソレをカバーする為にドクターが提唱したのが、ドイツ軍特殊部隊で実装されたという越界の瞳(ヴォーダン・オージュ)。何処からかその情報を引っ張ってきたドクターは、ソレを私たち戦闘機人のペリスコープ・アイに組み込んだ。
当然、ナノマシンにはドクターの手が入って、ちょっと魔改造されたけど。

機能としては、センサー機能の視界方向への限定と、有効探査範囲の拡大、そしてセンサー感度の調整など。元々機械である私達とヴォーダン・オージュは相性がよかったらしく、今では全員がソレを実装している。
ドクターの系列(因子含有)は目が金色だし、見た目はあんまり変わらない。
因みに名称は、越界の瞳(ヴォーダン・オージュ)ではなく、金色の魔眼《ペリスコープ・カスタム》とか呼んでいた。因みに魔眼の名称を名付けたのは私ではなくトーレ姉です。あの人格闘漫画からハマってじゃっかん厨二病に――いえ、なんでもありません。

「――ふっ!!」

息を吐出すと共に右手にショットガンを顕現。即座に進行方向に向かって乱射する。
機雷の類は最低限打ち落としてしまったほうが速い。特に私のような高機動型が迎撃に時間をかけては存在意義が問われる。

「次はお馴染みのミサイルエリアだ。タイミングをずらして来る波状攻撃だ。上手くかわさねば幾らISといえどひとたまりも無いぞ!!」
「了解!!」

因みに、教官役をしているトーレ姉が乗っているのは、ナンバーズコーポ二機目のISで、試作量産型IS、リガズィーだ。
高威力粒子加速砲を搭載した第三世代試作型で、実際の脅威は寧ろ全身に内蔵されたマイクロミサイルの山だ。しかもミサイルポッドを全パージすれば機動力は一気に跳ね上がる。コスト面でも、マイクロミサイルは防衛装置なんかにも転用可能で、量産化の目途が立てば一気にコストダウンする。
量産化されるとすれば、RAYではなくリガズィーになるのだろう。

私がRAYで飛び回っているのを見て、自分もやりたくなったのだそうだ。
だからって、高火力型のリガズィーで超高機動型のRAYに普通に追いすがってこられると、なんだか色々悲しくなる。さすがISライドインパルス、と言った所でしょうか。

因みに、IS製造において第三世代型を実際に稼動させているのは、現在のところ未だ我がナンバーズコーポのみとなっている。

IS研究(と実際には戦闘機人の技術)のフィードバックなんかで、今ではNCは脳波接続型の義肢の世界有数のリーディングカンパニーとなっている。
まぁ、義肢の技術は普通に公開しているから、コレを他国が第三世代の足掛りにしてしまう可能性はあるらしいけど。

ドクター自ら仕掛けたセキュリティーウォールを突破できれば、の話だけど。

「くっ!!」

手に持つショットガンを乱射して、ある程度のミサイルを減らした――んだけど、どうにも削りきれないね。やっぱり面制圧用のショットガンでは、分厚いミサイルの弾幕を抜くのは無理か。

現在RAYに搭載されている攻撃用兵装は3つ。
一つは脚部ミサイル。これは目標拠点にブチ込む用なので使用するわけには行かない。第一速度的に追い抜いてしまうので使えない。
一つは左腕レーザーブレード。高威力の対IS競技用武装だ。格闘戦用兵器なので使えない。
そして右手。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

気合を込め、右手を腰ダメに構える。
意識から操作するのはISではなく、自らの身体に組み込まれた近接格闘兵装。
人為らざる身であるからこそ許される、最強の一撃。
そしてソレは、ISを身にまとうことで更なる一撃へと昇華している。

「リボルバーナックル!!」

――キィィィィィィィィィ!!!!!!!

甲高い音を立てて回転する右腕の兵装。
それは回転すると共に、右腕から伝えられる超振動によってその姿をブレさせていき――。

「振動砲っ!!」

大きく振りぬく一撃。私と、RAY。二人の持つ最強の一撃同士を掛け合わせた一撃。
――ドォオオオオオオオンンンン!!!!!!!!!
そうして放たれた無色透明の一撃は、一瞬空に歪みを映し出すと、次の瞬間真正面のミサイル、その全てを尽く打ち砕いていた。

振動砲。つまり、私のインヒューレントスキル振動破砕を、RAYの右腕に存在するリボルバーナックル、其処から放たれる衝撃砲にのせて撃ち放つ必殺の一撃だ。
本来一塊の衝撃として放たれる衝撃砲。それを微細に振動させる事で、接触対象に振動破砕を直撃させたときと同じような現象を引き起こす。
振動破砕の射程を大きく引き伸ばし、同時に衝撃砲の威力を一撃必殺にまで引き上げる。まさに私とRAYのコンビネーションスキルだ。

「技名を叫ぶなといっているだろうが馬鹿者!!」
「あ、いやぁはは、熱くなっちゃうとつい……」

此方の観測をしている背後のトーレ姉に物凄く怒られた。
苦笑いを浮かべつつ、右手のリボルバーナックルからカートリッジを排出する。
さすがドクターの超科学。IS本体のエネルギーを喰わないよう、カートリッジシステムとか実装させてしまったのだ。

さて、そうこう多重思考している間に、いつの間にか渓谷を抜けたようだ。
目の前に広がる広い盆地。その中央には、目標と思しき基地施設のような場所が見える。
即座に金色の魔眼で索敵。データをIS側と共有照合。敵施設中心に攻撃目標と思しき反応をキャッチ。

「せあっ!!」

ガリガリと空気の壁を削り、いい速度に乗った時点でミサイルを全弾射出。
基地施設に広がって着弾するミサイルは、しかし肝心の目標に確りと着弾。盛大に基地施設を吹き飛ばした。

「ヒャッホォォォ!!!」

盛大な花火に、思わず歓声の声を上げてしまう。
スバルさんのキャラじゃない? そんな事言われても、私はスバル・スカリエッティ。ナカジマさん家のスバルさんとはまた別人です。
スカさん家で暮らしている所為か、どうにも攻撃的な性格になってきている自分を自覚しています。

さて、そんな事を考えていたら、多重思考の幾つかが同時に何かを感じ取ったらしい。
即座に機体を真下に降下させると、直前の予測軌道先を焼くピンク色の光。

「良く避けた!! しかし訓練は継続中だ!!」
「え、ええっ!?」

振り返った背後には、空に浮かぶ巨大な鋼の球体。
デフォルメした太陽のような形をした銀色のそれは、しかしセンサーが正しいのならISと同種の防護障壁を展開しているのが見て取れる。
しかもソレが4……5……7機。

「因みにコイツラはドクターの作品の一つ、ガジェットⅠ型改(カスタム)。IS技術のフィードバックにより建造された新型のガジェットだ。まぁ、ISコアを搭載していない分低出力で、ソレを補う為に巨大化したが」
「へぅ」
「ミッションは変わらず敵主要施設の破壊及び離脱だ。Ⅰ型改は無視しても構わん。が、コイツラの射程はお前のISに搭載されている武装のそれをはるかに上回る。全機撃破後の離脱を推奨する。――それに、コイツラはいいトレーニング相手になるぞ」

言って、モニターの上でニヤリと口元を歪めてみせるトーレ姉。
然しコレは――AFアンサラー……とまでは言わないが、此方のISが人サイズであるなら、あちらは大型トラックほどの規模。サイズ的にはそれくらいの差が存在する
見た目の威圧感だけなら、多分ISなんかを軽く遼に圧倒しているだろう。

「恐れることは無い。ISは最強の兵器。それは事実だ。ましてお前のインヒューレントスキルとそのISの組み合わせなら、むしろコイツの相手はお前の十八番(オハコ)だろう」
「そうは言うけど……」
「ぐずぐず言わずにミッションを遂行せんかっ!!」
「Yes Ma’am!」

叫び、即座に機動を反転。Ⅰ型改に向けてジグザグに特攻する。
Ⅰ型の主力兵装はピンク色の粒子砲。そしてその合間に飛来するのは対空機関銃。
なるほどあれは複数で1機のISを削るための代物なのだろう。高威力のビームはむしろ囮。低威力だと侮って対空砲を無視していると、常にバリアを削られ、気づけばエネルギー残量が……といった所か。

けれども、私にソレは問題ではない。

「おおおおおおおお!!!!!」

立体的にジグザグを描き、ビームを回避した直後、一瞬出来た弾幕の空白。その穴を突いて一気に接近。
接近されたⅠ型改は、即座にビームを発射しようとエネルギーを充填させて……。

「せやぁ!!」

ゴンッ、という鈍い音が響く。右手で殴り飛ばしたⅠ型改は、まるで同等の質量の何かに小突かれたかのように体制を崩した。
そうして、その成果を確認せずに、そのまま目的のポイントまで一気に飛翔。

――ドォォォォォンン!!!!!

背後から響く爆音。振動破砕により内部の重要機関を粉砕されたのだろう。
私の振動破砕は、事機械なんかに対してはまさに一撃必殺。それは例え規模が違おうが関係なく。

――キィィィィィィィィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!
――――ガションガション!!

音を立て、連続してカートリッジがロードされる。
一種の『電池』であるカートリッジのエネルギーが、『コンデンサ』であるリボルバーナックルに蓄積。
更に振動破砕の起動により発射準備は万全。

目の先には、ほぼ1列に並んだⅠ型改の群れ。
1機だけ倒せば、あとは纏めて倒せそうなこの配置。多分最近日本製のゲームに嵌っているクアットロの影響だろう。クアットロはシミュレーション系で経済無双したり、序盤の弱小軍団でいきなり強豪を戦術的に倒したりと、色々物凄く楽しんでいた。

まぁ、このやりやすい配置的に、設定はたぶんウーノ姉さんだろう。あの人もクアットロの影響でゲームをしているらしく、といってもクアットロのS○EやM$に対してウーノ姉さんはほんわかニン○ンドーだから和む。

「超、振動砲!!」

ドンッ!! という爆音と共に、一瞬目の前の空間が歪む。
と同時に近いものから順番に動きを止めていくⅠ型改。

ソレを確認して、即座に機動反転。目標離脱地点へと全速力。
その背後で、爆音が響いた。

「Mission Complete. 作戦遂行時間は17分と34秒か。あと3分は縮めたいな」
「ちょ、1000キロ毎時オーバーを維持してコレなんですけど!?」
「なに、国家代表の平均が1時間20分――80分台なのだ。お前ならまだ余裕だろう」
「何その情報怖い」

戦闘機人ならではの痛覚カットや常識の埒外の高機動、果ては一般人には難しすぎる人外の反応速度による超変体機動。それらの結果だ、と軽やかに言うトーレ姉。いや、私ならあと1分は速いとか、どんだけ人間離れしてるんだか。

「それでは、このまま帰島する。――なんならこのまま対IS訓練に入るか?」
「いえいえ!! 結構です!!」

ウズウズと輝くトーレ姉の瞳をモニターに確認して、慌てて研究基地に向けてメインスラスターを吹かしたのだった。

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