FC2ブログ

13 CBF in Australia・六日目、動き出す陰

2012.06.12 (Tue)
さて、そういうわけでCBFinオーストラリア六日目に入りました。
この調子なら今日明日中には全員ゴールできるんじゃないだろうか。

「然し暇ー」

CBFも6日目に入ると、どうにも此方としてはダレてくる。
何せやる事といえば、ガジェットドローン一型改を操作するか、直接奇襲をかけて選手陣のISのバリアを削るか。

現在の順位は、上位からコアラ改2号、アルギュロス、リガズィー、コアラ改一号機となっているのだが、まぁ此処に来るまで色々ドラマが有った。

コアラ改両機は第三世代二機に抗えず、かといって一度抜かれてはそう簡単にコアラ改が追い抜かすことは不可能。
VOBでの包囲網突破の際、第三世代両機に追い抜かれた二機が、どうして第三世代二機と良い勝負をしているのかと言うと、現在最後尾のコアラ改1号機の奮闘の成果だといえるだろう。

コアラ改ではリガズィーとアルギュロスには勝てない。では一体どうやったのか。

コアラ改一号機で第三世代両機に牽制をかけ、尚且つ第三世代同士を争わせて三つ巴の状態にし、其の上で二号機を先行させたのだ。
一号機をおとりとして切捨て、二号機を本命として先行させる。

コレを見事にこなした一号機は、現在第三世代二機に対して激しい弾幕で牽制をかけつつ、何とか両機に喰らい付いている。
第三世代二機も、いくら性能で圧倒しているとはいえ、巡航速度に比べれば戦闘機動はどうしても劣る。
常に前へ行く事を優先しているコアラ改二号機に比べて、両機の速度が劣るのは必須。

そんな感じで、コアラ改1号機が何とか食いつく事で、第三世代の足を引っ張り、その隙に二号機がトップへ躍り出たのだ。
因みに何故2号機が先行しているのかと言うと、通信を盗聴したところ二号機が格闘型という事が大きかった。何せ第三世代に第二世代で格闘を挑むとか、まぁ他所の国の先行試験型第三世代とかならまだしも、トーラスとナンバーズコーポの第三世代とか、十分に実用レベルのISに対しては普通に自殺行為だ。対して射撃型の二号機であれば、ある程度の牽制は可能。という話らしい。

まぁ、そんなわけで現在の順位となったわけなのだが、正直後半戦は私が手出しせずとも十分に見ごたえの有る戦いだ。寧ろ手を出すのが無粋。
と成ると、今現在の私は物凄く暇になるわけだ。

「だってなぁー。ドローンをけしかけるって言うか、寧ろドローンがあの戦闘に介入しないようにしろって指示されてるわけで、ひまー」

グチグチ。
はるか上空で、そんなことを呟きながら空を遊泳する。
何せ現在本当に仕事が無い。カメラドローンの制御は最初から私じゃなくて本部だし。

「何か介入できるイベント起きないかなぁ?」

とか、そういう余計な事を呟いた所為だろうか。
変なフラグが立ったらしく、小さな違和感を感じるや否や、突如としてISから警告音が大きく鳴った。

「な、何!? CP!!」
『セカンド、聞こえるか!!』
「状況は!?」
『所属不明機、CBF参加機に急速接近!! ――っ、センサーに反応、コアラ改2号機がロックオンされました!!』
「本部に大会の中止を申請!! 此方から介入するよっ!!」

おいおいおいおい、マジかよ!!
背筋に走るむず痒い悪寒。薄らと立つ鳥肌に、即座に其処に複数の敵意、ないし色濃い悪意のような物を感じた。

所属不明機? そんな馬鹿な。
ISと言うのは、其の生産台数が確固として固定されており、その総数は467機。
これは世界で決められた法律云々ではなく、ISの生みの親たる篠ノ之束博士が、その基幹たるシステム、ISコアに関する技術を現在も秘匿しているというのが大きな原因だ。
そして、だからこそISは有る意味完全に管理された兵器だともいえる。全ての機体――というか、そのISコアは、国際IS委員会によってその所属を監視されているのだから。

だというのに、所属不明機?
そんな馬鹿な話があってたまるかと悪態をつこうとして、そんな自分の思考に思わず目を丸くした。

いや、いやいや、時間経過による記憶劣化? 否。戦闘機人である私に、記憶の劣化と言う現象は縁遠い。
寧ろコレは――一種の平和ボケか。
あまりにもこの世界で、一人の人間として――戦闘機人ではあるが――平穏に、楽しく過していた所為で、嘗ての情報を現在に当てはめて思考するという事が、感覚的にズレている??

「まさか――亡国企業?」

――可能性は、十分に有る。
亡国企業。今持つ知識とあわせて考えれば、あの組織の背後には間違いなく連中(・・)がいる。
賢人会議、三百人委員会、アマルガム、賢者達、フィクサー、イルミナティ、らりるれろ、その他etc...
簡単に言うと、各国の経済、軍事、法、商業、その他様々な業界の重鎮。そういった連中が裏で結束した組織。膨大な資金を手に、国の枠組みをものともせず、旗無き軍事力により世界を操る組織と言う怪物。
嘗てのドクタースカリエッティの後援者達であり、現在も脈々と世界に根を張る、文字通りの黒幕。
そして、連中を背後に持つのであろう前線戦力。――それこそが亡国企業ではないか。そんな考えが頭をよぎる。

レイレナードの亡霊、なんていう可能性も無きにしも非ずだけどさ。

量子格納していたVOBを展開、即座に加速を開始し、そのままGPSで目標地点を――?
一瞬GPSに走ったノイズ。それがどうしようもない違和感として、頭の中で警鐘を鳴らす。

「なんだ――?」

軽くVOBを上昇・減速させ、金色の魔眼でGPSの指し示すポイントを遠視する。
――其処には、ISの戦闘風景どころか、影も形も見て取れはしなかった。

ぞっとする。GPSの情報改竄? それどんなレベルの話だよ。
GPSってアレだよ? 衛星使ってるんだよ? アクセスするだけでNASAレベルなんだよ本来?
しかも今此方に流れてきているデータは、軍用のP(Y)コードだ。それを改竄するとか。相当な規模の組織という事に成る。
いやはや、さすが私(戦闘機人)を産み出した組織。脅威の一言では済まないレベルなんだけど、もう如何いったら言いか。
いや、前述の前提が正しかった場合の話なんだけどさ。

即座にRAYのハイパーセンサーを全開に。GPSが駄目なら、ISのハイパーセンサーで直接周囲を探る。勿論、私の疑似ハイパーセンサー『金色の魔眼』もフル稼働で。

そうして、時間にして三秒。系統樹思考の中でかなりの時間にも感じたが、現実ではそれだけしか時間経過していなかったことに寧ろ安堵を覚えた。

――所属不明IS、確認。計五機。

何の冗談だと。







視界に捉えた五機のIS。それらはどれもデザインがバラバラで、如何見ても其々で規格が違いすぎる。
もし敵が亡国企業であるのだとすれば、あれは各国からの盗品――?

「敵機情報検索」
『検索開始――Hit
騎士タイプ、フランス製指揮官型高機動第一世代戦場の聖女(ジャンヌ・ダルク)。
銃士タイプ、フィンランド製狙撃型第一世代白い死神(シモ・ヘイヘ)
汎用タイプ、イギリス製試作第二世代機、女帝海賊(アン・ボニー)
制圧タイプ、ドイツ製試作第二世代爆撃機、破壊神(シュトゥーカたいさ)
汎用タイプ、中国製試作第二世代型汎用機、傾国の美女(ダッキ)
以上五機』
「おいおいおいおいおいおいぃぃぃぃぃいいい!!!!!! 何だなんだよなんですか!?その不吉と言うか微妙に呪われてるというか、嫌な名前のラインナップは!!」

ジャンヌ・ダルク。言わずと知れたフランス革命の魔女にして聖女。
シモ・ヘイヘ。肉眼で長距離神狙撃を観光する白い死神。
アン・ボニー。伝説の女性海賊。
シュトゥーカ大佐。ハンス・ウルリッヒ・ルーデル。破壊神。
妲己。紂王を堕落させて殷を滅ぼしたとされる傾国の美女。妖狐の類。

もうコレだけでどれだけやばいネーミングか、理解していただけただろうか。
そして個人的に一番警戒しているのは閣下のゲフンゲフン、シュトゥーカ大佐だ。第二世代だといって舐めてはならない。あの名前を冠する以上、相応の自信があるのだろう。
白い死神も恐ろしいけど……。

名前に気圧されて負けました、なんて情け無い展開はいらない。
即座に気持ちを切り替えて、目標に向かってVOBを全力でふかす。即座に目標地点1キロ手前。文字通りあっという間。けれどもあっとすら言う暇も無い。
即座にVOBをパージ。残骸は質量兵器として利用。漂流したVOBの残骸はそのまま空中を突き進み、中国製IS『傾国の美女』を巻き込んで墜落。奇襲で一機潰せたのは行幸!!

「所属不明ISに次ぐ。現空域はオーストラリア領空であり、貴様達は現在オーストラリア領空での無断IS使用の罪に問われている。武装を解除し、直ちに投降するなら――話は最後まで聞け!!」

言葉の途中で放たれる弾丸。咄嗟に回避し、その方向へ向けてショットガンを乱射する。――ってああ!! 折角一塊になっていたISたちが分散した!!

「ちっ――此方大会運営サポートのRAY、セカンドです。参加者側のIS、聞こえていますか?」
『アルギュロス、リオ』『リガズィー、トーレだ。聞こえている』『コアラ改一号機コアラ1』『コアラ改二号機、コアラ2だ。ちゃんと聞こえてんぜ!!』
「現在所属不明ISが貴方達に対して攻撃を行っています。今から此方で牽制をかけますが、其方で応戦可能な機体は?」
『ミサイルが心許ないが、ビームのエネルギーは未だ余裕だ。リガズィーいける』
『ジェネレーター出力、プライマルアーマー……正常稼動。アルギュロス、いけます』
『コアラ改一号機。残念だけれど、残弾が殆ど無い。離脱させてもらうわ』
『おぅ、コアラ改二号機はいけるぜ!! 噴射剤が若干心許ないけどよ、第二世代の低燃費設計は伊達じゃねーぜ!!』

威勢のいい声で締められる。
うん、まぁコアラ改一号機の離脱は予想通り。コアラ改二号機は――まぁ、大丈夫かな。

「それでは、各機コアラ改二号機の離脱を援護しつつ、敵機体に対して攻撃をお願いします。敵は所属不明機。いわばテロリストです。問答無用でやっちゃってください!」
『『『了解(ラージャ)!!』』』『……了解(ヤー)』

さて、それでは――初めての実戦。いってみますか!

ISのお約束。大会の最後は有耶無耶になる!
スポンサーサイト



トラックバックURL
http://amane0130.blog.fc2.com/tb.php/36-0901bc57
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top