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14 CBF in Australia・六日目...

2012.06.12 (Tue)
ISを戦争に利用する事は、世界IS委員会によって禁止されている。
コレは公然の事実であり、覆る事の無い前提である。と言うのも、このルールを定めたのが、実はISの祖である篠ノ之博士である、と言う噂があるからだ。
彼女は自らこんなとんでもない存在を世界にばら撒いておきながら、それを戦争に利用される事を疎んだのだ。とんでもなく傍迷惑な人間だ。

しかし、だがISは世界各国で軍に配備されている。
スポーツ運用という建前はあるが、だが実際ISが配備されているのは軍。
これは矛盾しないのか。

答えは簡単。ISの戦争利用は禁止されていても、ISの軍事利用は禁止されていないのだ。
つまり、テロや内紛、内戦は戦争ではないのだ。

これがどれ程恐ろしい事か、この世界の人間は本当に理解しているのだろうか。
自国の持つ最強の刃は、実は外ではなく内側に向けられている。
果たして、本当にその事を人々は理解しているのか。

さて、話がそれたが、つまるところ何を言いたいのかと言うと、現在私はISで始めての実戦を経験している、と言うだけの話だ。

「ちぃぃっ!!!」

空に向けて(・・・・・)放たれる対地貫通ミサイル(バンカーバスター)。粉塵を放ち突進してくるそれを、直感に従って回避。即座に冠の導くままにショットガンを放つ。
然し相手側は、それこそISの参考資料にしたいほどの、見事なまでのヒットアンドアウェイで既に此方の火器制空圏内から離脱している。

――っ、ええい、爆撃機風情が此処まで此方を翻弄するとはっ!!
破壊神の名を冠するだけあってか、かの第二世代は本当に化物だった。データ上は爆撃機。実際に得たデータ上でも、まさに爆撃機と言うべき鈍重な動きに、ぬるりとした挙動。とてもではないがISの動きではない。「これがISの動きか……」とかマジで呟いちゃったほどである。

――だというのに。

怒鳴り散らしたくなる内心を、大きく息を吐くことでクールダウンさせる。
何故、何故当たらないのか。
分けがわからない。確かに此方は第三世代とは言え欠陥機。アンロックユニットも存在しない時代を先取りしすぎた欠陥機だ。だが、だからといって現行の第二世代に遅れを取るほどの物でもない。
だというのに、何だあれは。

速度では此方が圧倒している。
火力では面性圧力で圧倒している。
回避性能でも此方が圧倒している。
何より速度が違う。戦闘機動でも、此方はあちらの倍はある。

だというのに、何故落せない!!

「駄目だ、落ち着け。落ち着け。私は誰だ。私はタイプゼロのセカンド。クールでキュートな戦闘機人だ」

改めて息を整える。落ち着け。客観的に自分を見るんだ。なに、私なら出来るだろう?
今の私は、自覚はしていないが、多分始めての実戦で相当緊張している筈だ。自分で自覚できなくても、そういうのは精神に負荷を掛けるというし。
スペック上では圧倒しているのに、何故かとどかない。それも簡単だ。スペックで勝っていても、それを運用しきれて居なければ、劣るのは当然。

先ず、深呼吸。そうして落ち着いたら、改めてあいつに対して攻撃を――

――ドォンッ!!!

「か――――ぁっ、けほ、けほ」

精神を落ち着けようとしていたその矢先。突如として身体を吹き飛ばす強い衝撃。思わず肺から出て行く空気に咳き込む。
――ギリッ!!!

「野郎ぉ、良くもやってくれやがったな!!」
『よ、止せセカンド! お前が一人で敵う相手じゃない!!』

通信から零れるトーレ姉の制止の声。でも、頭に血の昇っている私を止めるには、その制止だけでは足りない。
そうして見える破壊神のパイロットの顔。此方と同じくバイザーで覆われたその顔から表情を読み取る事は難しい。――が、その口元に浮かぶのは、確かな――嘲笑。

距離をとり離れていく破壊神の後を、ショットガンで弾幕を張りながら追いかけていく。
追いかける最中、自動操作で侵入者を迎撃していた筈の、然し撃ち落され残骸となった幾つものガジェットドローン1型改とすれ違った。

追えば追うほど、すれ違えばすれ違うほど!! 自分が追っているのは、爆撃機型ISの姿をした、何か別の存在なのではないかと思えてしまう。

そうして、不意に開けた空間に出る。
其処は異様な空間だった。まるで巨大な砲撃でも喰らったかのように開いた地面の大穴。其処に並ぶのは、フルメタルミサイルを突っ込まれ火を噴く1型改、爆発で吹き飛ばされたかのような姿の1型改。
そのほかにも同士討ちに有ったかのような姿をしたものや、中心に謎の大穴を明けた姿で機能停止した一型改の姿。そんなガジェットたちの残骸をちりばめて、その広場は存在した。

――嫌な汗がどっと吹き出る。コレはトラップだ。自分は今、罠に誘い込まれようとしている!!

しかも敵機はその広場の中心に泰然と佇み、堂々と此方の様子を観察している。――く、誘ってやがる!

――はっ!? 何だ、何か今、物凄く嫌なフラグを立てかけていた気がする。
落ち着け私。クールに、KOOLに成るんだ。

「あぁ、なるほど」

自分の思考に漸くネタを理解するのだった。





さて、そういうわけで向かい合うRAYと向かい合う破壊神。
何となくだけれども、この戦いはそう長くは続かないだろうと理解していた。

何せ、相手はシュトゥーカ大佐。此方は零戦型だ。同じ飛行機をモデルとしたISとして、負けるわけには行かない。

因みに元ネタだが、此処には存在しないスバル・ナカジマの姓の元ネタであるナカジマとは、ゼロ戦を作りまくった事で有名な会社である。故に、タイプゼロ。あと、RAYと言うのは零戦の敵性呼称だったりする。

まぁ、幸い相手はA-10神ではない。シュトゥーカ大佐ならまだ何とか成る。筈。

「ええい、悩むより動け! 行くぞシュトゥーカ大佐、37mm砲の残弾は十分かっ!!」

返答は砲撃で返って来た。





------紅王(キング・クリムゾン)------




さて、そういうわけで何とかシュトゥーカ大佐を撃破することに成功した。
37mm砲マジパネェ。ISの絶対防御をぶち抜いて、RAYは既に大破寸前の中破。なんだよあの第二世代機、化物か?
しかも何であんなに急降下爆撃に拘るのか。意味が解らない。そしてそれを当ててくるのだから尚更意味が解らない。なんで急降下爆撃が当たるの? 馬鹿なの? 死ぬの?(私が)

――ふぅ、落ち着け私。

倒したシュトゥーカ大佐のコアは此方で回収に成功。敵パイロットはどうやってか絶対防御の最終機構発動前に機体からするっと抜け出して逃走して見せた。
うーん、あのパイロットも化物だ。

まぁ、折角得たISコアだ。コレは戦利品として有効活用させてもらおう。

さて、その他の敵機の撃破状況だが。
ジャンヌ・ダルクはコアラ改2型が抑え、その技量で盛大に叩き潰して魅せた。機体は撃破。但しコアは抜き取られ逃げられた。近接格闘型同士の戦いは、チラチラ除いただけでも凄まじいの一言だった。ログを後からじっくり見る事にしよう。

シモ・ヘイヘに対してはアルギュロスがぶつかった。
プライマル・アーマーを張ってガチガチに守りを固めたアルギュロスに対して、シモ・ヘイヘのレールガンはそのプライマルアーマーを突き抜けるという快挙をみせた。データ上の白い死神の主兵装は対物狙撃銃だった筈なんだけど、改造機だったのだろうか。アレで多分、ISにレールガンを搭載しようと言う動きが出るんじゃないだろうか。しかもこの白い死神、その名に恥じぬ乱戦狙撃を見事に披露してくれて、嬉しくない事にアルギュロスの攻撃の合間を縫って、アン・ボニーやらジャンヌやらを狙撃で援護していた。おかげで此方も被弾して、基礎フレームに大穴が開くという致命的なダメージを食らってしまった。今すぐ如何こう成るわけではないが、間違いなく致命傷だ。本気で許せない。まぁ、凄まじい攻防の果て、(砲撃で砂塵が消滅して)砂漠の地層が数十センチ下がるというとんでもない事態の果て、アルギュロスの勝利となった。因みにシモ・ヘイヘのコアは見事、粒子の砲撃により吹き飛ばされ、少し後トーラスの回収班によって回収された。その近辺には人型の影が焼きついていたとか。絶対防御発動後にも砲撃を喰らったんだろうなぁ。うわぁ。

アン・ボニーだが、此方はリガズィーが叩き潰した。
汎用機といえば聞こえは良いが、結局の所どっちつかずの中途半端な機体だったのだろう。リガズィーの放ったマイクロミサイルを必死で迎撃している最中、背後から忍び寄ったリガズィーに後ろから貫かれ、串刺しのままマイクロミサイルを正面から喰らい最終防御発動。絶対防御? 普段は出力を落していますが、戦争用装備のビームサーベルの戦争用出力にそんな物通用しません。ISコアこそ確保した物の、そのほかはパイロットごと消し炭に成った。こっちもやりすぎトーレ姉。

で、傾国の美女なのだが、此方はどうにも墜落した後にISコアだけ抜き出されたらしく、そのまま逃走されてしまったようだ。うん、先にコアだけでも回収しておくべきだったか。因みに残されていた機体だが、さすがあの国製品と言うべきか、良くあんな粗悪品が動いていたな、と言うようなレベルの代物でした。何せフレームの設計が何処かで見たデザインなのだからもう。

あ、ジャンヌダルクはコアラ改と相打った。
――うぅん、ジャンヌとコアラ。改めて考えると物凄い組み合わせだ。仏の英雄と濠のマスコット。濠のマスコットは実は凶暴でした、と。
因みに詳細な戦闘データを述べると、ジャンヌとコアラ改、両者共に近接戦闘型ISであった為、純粋なガチンコに成ったのだとか。
データを確認しても、なんともIS戦闘らしいIS戦闘だった。
まぁ、ハンドガンを装備していたコアラ改二号機が若干有利だったらしく、ハンドガンで牽制の後、ISジャンヌからコアを引っこ抜くという暴挙を慣行。ISコアを奪われ、機能を停止したジャンヌの内に閉じ込められた敵機パイロットごと拘束したのだそうだ。
因みに後述だと、お約束と言うべきか、輸送の途中でちゃっかり逃げられました。亡国企業ェ……。

因みに追記しておくと、一番映像資料として優秀だったのはジャンヌ・ダルク対コアラ改二号機の戦闘だった。ジャンヌもコアラ改も共にきれいな動きをしていた。機体は古いのとボロイのだが、両者とも操縦者は一流だと思う。

――第三世代機? 技術力と力技のごり押しですが何か?



そんな感じで、色々儲けがあったりダメージを受けたりとはしたものの、何とか勝利を収める事ができた。
幸いだったのは、敵も味方も共に連携を取らなかったことだろうか。
IS操縦者って言うのは、どうにもタカビーというか、弩ナルシストが多いというか、そういう理由か、連携下手が多すぎる。
まぁ、今回はそれに救われた。一対一なら、まず旧式に負ける事は無い。

連携で戦術とか使われると、世代差と言うのは容易に覆されちゃうからねぇ。




――然し、RAYも中破とは。

システムをチェックしていくが、どうにも駄目臭い。巡航速度で1020km毎時程度の速度を誇っていたRAYは、けれども現状で出せる最高速度は精々400km毎時程度。レシプロ航空機程度の速度しか出ない。
うん、レストアか新型開発か、な。

「お疲れRAY。次はもっと強い機体にしてやるからな」

呟いた瞬間、エラーだらけの投影モニターが、小さく点滅して見せた。
一つ頷き、首を挙げる。
基礎フレームにまで甚大な被害を受けたRAY。コアこそ無事だが、もうこの機体はそうながくは無い。
いずれ初期化され、新しい機体に積み込まれる事になるのだろうが――。
でも、今は未だコイツはRAYで、私の相棒なのだ。

「だから、もう少しだけ頼む」

小さく呟いて、ボロボロの機体を操って、なんとか東の果て、ゴール地点であるシドニーへ向けて機体を飛ばすのだった。

CBFinAUS編終了。
今回の収穫――ISコア×4……各社に配分。
シュトゥーカ大佐→NC社
ジャンヌ・ダルク→AMI
シモ・ヘイヘ→トーラス
アン・ボニー→オーストラリア政府→国際宇宙開発委員会(IS委員会に対する嫌がらせ)
ISのお約束→催し物の決着はつかない。
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コメント
え~と、読んでて「なんかおかしくね?」と思った記述があったので指摘しときます。


>さて、その他の敵機の撃破状況だが。
>ジャンヌ・ダルクはコアラ改2型が抑え、その技量で盛大に叩き潰して魅せた。機体は撃破。但しコアは抜き取られ逃げられた。近接格闘型同士の戦いは、チラチラ除いただけでも凄まじいの一言だった。ログを後からじっくり見る事にしよう。

⇒苛烈な格闘戦を繰り広げたものの撃墜後に敵パイロットはコアを持って逃走



>あ、ジャンヌダルクはコアラ改と相打った。
(中略)
>まぁ、ハンドガンを装備していたコアラ改二号機が若干有利だったらしく、ハンドガンで牽制の後、ISジャンヌからコアを引っこ抜くという暴挙を慣行。ISコアを奪われ、機能を停止したジャンヌの内に閉じ込められた敵機パイロットごと拘束したのだそうだ。
>因みに後述だと、お約束と言うべきか、輸送の途中でちゃっかり逃げられました。亡国企業ェ……。

⇒戦闘中にコアラが敵ISのコアを奪取し、敵パイロット捕縛。ただし敵パイロットは護送中に逃走



>今回の収穫――ISコア×4……各社に配分。
>シュトゥーカ大佐→NC社
>ジャンヌ・ダルク→AMI
>シモ・ヘイヘ→トーラス
>アン・ボニー→オーストラリア政府→国際宇宙開発委員会(IS委員会に対する嫌がらせ)

⇒ISコアを確保できなかったのは開幕VOBで撃墜された妲己のみ


結局ジャンヌ・ダルクVSコアラ改二号機の戦闘の結果は?たぶん②,③が正しいんだと思いますけど・・・・・・・・・・・・①は改稿前のデータの消し忘れかなにかでしょうか。
のなめ | 2012.08.01 10:29 | 編集
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