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22 Intermission 8

2012.06.12 (Tue)
「さて、こんなところか」

νG-HWS-DFFが完成して、漸く訪れた休暇。
MoonLightの皆々様は揃って地上へ下り、思い思いに地上での休暇を楽しんでいる事だろう。
今現在月光に残っているのは、交代制で月光に駐在している警備員くらい。

「休暇ぁ~、私も欲しかったぁ……」

そうして私は今現在、このMoonLightにて、漸く完成したνGのデータをレポートにまとめて、それを地上のドクターのラボに送る、と言う作業に取り組まされていた。

私も休暇が欲しいって言ったのだけれども、「やりたいといって実行したのだから最後まで責任を持つべきだと思うんだ」とか、遠まわしにネチネチ言って来たドクター。その後、「それに、この後もキミにはちゃんと予定があるだろう」とドクター。
仕方が無いので泣き言を漏らしながら、レポートをさっさと仕上げる為、月光で得た宇宙での稼動データを動画付でレポートにまとめ、地上へとデータを送信。
前回の機動実験では足りなかったデータ分は、後から宇宙に出てデータを収集。同じ挙動パターンを何度も繰り返して、最適化したデータを機体に反映。そうして稼働率が向上したデータをレポートに記載して地上へと送信。
そうやって何度もレポートを繰り返しているうちに、漸くドクターからOKが出た。

「いやったぁ!!」
『うん、それじゃ地上に降りて――いや、その前に、今から送るデータを適用してごらん』
「うん?」

そうして、送られてきたデータ。
見るに、コレはISの稼動データ?

「何これ?」
『見ての通り、ISの稼動データさ』
「いや、ISの稼動データて、νGは既存のISともNextとも規格が違うから、データの共有は出来ないと思うんだけど?」
『問題ないさ。何せこの稼動データは、νGの稼動データだからね』
「は?」

送られてきた最適化された稼動データ。
なるほどコレは重力圏内での稼動データか。確かにνGの稼動データって、宇宙以外で取ったのはあのA-10との試合のときくらいか。

「νGって、どうやって……」
『此方に送られていたデータと、月光から送られてきた資材を流用して、ね。何、此方にはキミの開発構想と稼動データ、設計図と全て揃っていたから、作るのは簡単だったよ』
「……コアは?」
『あぁ、それなら少し前に色々あってね。内の企業が少し大きくなったから、ISコアもまた配分されたんだよ』

で、聞いてみたところ、ドクター、ついにオーストラリアのIS市場を手中に収める事に成功したらしい。
何でもトーラスと共同でAMIを下した時点で、既に市場的な意味ではNC社がオーストラリアトップの座を手に入れてはいたのだそうだ。
ただ、技術的なレベルで言えば、トーラスが若干上。NCは尖った技術、もしくは汎用性としてトーラスに対抗していた。
が、AMIを下して、NCはトーラスと手を組んだ。コレを切欠に、トーラスは自らNCの元に下る事を望んだのだという。

曰く、「経営とかメンドい。開発させろ」だそうだ。

元々トーラスと言う会社は、あまりにも変態的かつ危険な技術を、望むがままに好き勝手開発していた所為で、ヨーロッパの大地を追われた組織だ。
そもそも経営には欠片も興味が無いあの組織は、要は開発さえ出来れば何でもいいのだとか。

と言うわけで、NCはトーラスを吸収。社名をN&T(ナンバーズ&トーラス)として社名を変更。トーラスはNext系開発部署トーラスとしたらしい。

要するに、現在のオーストラリアの市場を語ると、

・ナンバーズコーポ……設置社名をN&Tに変更。IS系技術を中心に、民間にも技術を下ろす大手企業
・トーラス……N&Tの一部所に。好き勝手開発して、その運用法はN&Tに押し付けている。本人達は満足。
・オーストラリアミリタリーインダストリー……最早N&Tの下請け。技術商社扱いされて、IS開発には手を出せず、IS関連の武装を開発している。Next・A-10を一機配備され、コレを実験機としている。尚、国家代表はAMI所属のパイロット。

と言う状況にあるらしい。

『因みに、此方で作ったνG2号機のパイロットは誰だと思う?』
「誰って、トーレ姉じゃないの?」
『くくく、なんとギンガなんだ』
「――は?」

え、何? 今ドクターなんて言った?

「ドクター? 如何いうこと?」
『っ、い、いや、コレは本人が』
「――本人が、何? 本人が希望したからって、ISのパイロットにしちゃったの?」

ギンねぇには、極普通の、平凡な生活を送って欲しいと、そう思っていた。
だから、そういう意味も籠めて、私は色々ドクターの利にもなるように行動してきた心算だったんだけど。

『落ち着きなさいスバル』
「ウーノ姉……」
『ドクターはギンガにISに乗る事を強要していませんし、ましてクアットロが誘導したという事もありません。そのあたりには私が見張っていましたから』
「……うん」

コレがクアットロの戯言なら信じないけれど、ウーノ姉の言葉なら信じられる。
ウーノ姉はドクター至上主義だけど、同時にとても真摯な人だ。家族を危険に晒す事は、ウーノ姉も嫌っている。
世界を改革したいのがドクター、クアットロの二人なら、平凡な生活を望むのが私とウーノ姉だ。

『ギンガはね、貴女を見ていたからこそ、自ら前に進む事を選んだの』
「私?」
『ええ……。細かい事は、通信で話す事ではないわね。貴女が此方に下りてきてから話しましょうか』
「うぬぅ」

そういう言い方をされてしまうと、今此処では怒鳴れなくなってしまう。
仕方無しに怒気を――って、あれ、私怒ってたのかな?
というかドクター、ウーノ姉の背後に隠れんな。

「それじゃ、今から其方に向います」
『ええ、待っているわ』

よし。それじゃ行こう。すぐ行こう。すぐさま行こう。秘匿ラボにカチ込もう。そして問い詰めよう。
通信を切って即座に準備を整え、駆け足でラボを出て移動。

「それじゃ、後ヨロシクね」
『アイサー、セカンドちゃん、またねー!!』

私服の下に着込んでいたISスーツに着替えて、私物をケースに入れ、それを保持。
ISを展開して、そのまま港から宇宙へと飛び出した。

減圧され損ねた空気が、気圧差から宇宙空間へと流れ出し、その流れに押されてポンと飛び出した勢いをそのまま即座に加速。
真直ぐに大気圏に突っ込んで、狙い違わずオーストラリアに突っ込む。
大気摩擦? そんなものは知らない!!

――キィィィィィィィイイイイイイ!!!!!!

と、ヤケクソで突っ込んでいたら、音の無い音と共に、機体から緑色の眩い光が奔りだした。

「……って、このタイミングでサイコフレームの共振!?」

別に隕石を持ち上げるわけでも、接触しそうな宇宙船をつなぎとめるためでもなく。
ただ単純に、此処にあるのはギン姉への愛。

――単一仕様(ワンオフ・アビリティ)<オーバーロード(νGはだてじゃない)>
・人の人たる力とやさしさ、人の心の光を示す為の力。
・搭乗者の精神力(テンション)を柱としたエネルギーの発生。
・質量、非質量問わず、ありとあらゆるエネルギーのコントロール。

……なるほど。人の意志を力とするサイコフレーム。
有る意味、魂喰いの性質を持つサイコフレームらしい単一仕様(ワンオフ・アビリティ)かもしれない。
しかも何だコレ。一度サイコフレームに変換されたエネルギーはISのエネルギーにはならない?その癖このエメラルドグリーンのエネルギー、エネルギー攻撃ならそのエネルギーを、実弾ならその慣性を食い尽くして、更にそのエネルギーを増幅。そうして増幅したエネルギーは直接的な攻撃手段に転用させる事が出来るらしい。
どちらかと言うと、ISのエネルギーを燃料として、精神を顕現させる単一仕様(ワンオフ・アビリティ)と言うのが正しいかもしれない。寧ろコレ、ISでやる必要あるのか?

「ええい、なら滾れ! 私のギン姉へのラブ☆パワー!!」

冷静になればちょっと恥ずかしい台詞を、誰もいない宇宙だからと調子に乗って大声で叫び。
テンションに呼応して、一層色合いを深める輝き。機体からあふれ出した輝きは、ISを丸く覆うように広がり、まるで流星の如く地上の待機を引き裂いて。
そうして、一切の減速を行うことも無く、だというのに機体自体に欠片もダメージが通ることは無く、νGはエメラルドグリーンの力に包まれて、一気に地上へと降下したのだった。





    ※※※※    ※※※※    ※※※※    ※※※※





「えーっと」

つまり、コレは如何いう状況なのだろうか。
落ち着け私。何時も通りCOOLに行こう。

えっと、現状。
ギン姉に抱きつかれている。
Why?
ギン姉は、言っちゃ何だが内気な娘だ。普段のコミュニケーションも、ギン姉からとってくる事は少なく、寧ろ私から積極的に抱きついていく事が大抵。
いや、はっきり言うと、向うから抱きついてきたのはコレが初めてだ。

「私、立派なおねーちゃんに成るから、ゴメンねスバルぅ!!」

え、いや、何!? どうしてそんな涙ながらに、決意の篭った表情でそんな宣言を!!??







とりあえずギン姉を宥めすかして、その豊満な胸の感触を存分に楽しみ、かつ姉の巨乳で窒息死しかけるという稀有な経験をしつつ。
漸く落ち着いたギン姉にくっつきながら、如何いうことかと説明を求めてみた。

「ギンガったらね、どうにも日常生活の中で覚醒したみたいなのよ」

クアットロの説明は相変らず意味不明すぎる。
抽象的かつ概念的で、それを理解するにはきっとIntが最低100以上は無いと駄目何だと思う。
レベル的には魔法使いのレベル30代半ば。本編攻略可能レベルである。

で、話を纏めてみた。

・ギン姉、日常生活の中で、家族と言うものについて考えた。
・姉妹、兄弟と言う存在について、学校で出来た友達を見て、学んで、考えた。
・その結果、自分は姉で、スバルが妹なのだという事は知っていた。
・改めて自分達の立場を考えて、改めてスバルに対して興味がわいた。
・で、ドクターに情報の開示を求めたところ、スバルがいかに自分の日常を守るために暗躍していたかという事をクアットロに多分に美化して語られたとか。間違っては居ないのでウーノ姉も止めなかったらしい。
・で、何かおねーちゃんとして覚醒したギン姉は、自分も一人として独立する事を目標に活動開始。
・それと同時にスバルの力になる方法を考えたところ、折角なのでνG二号機のパイロットに志願。
・IS適性は並、NT適性は若干といったところだったものの、元が戦闘機人。元々身体は自主トレで鍛えていたらしく、すぐにでもISは使える。という事で、トーレ姉に訓練をつけてもらい、ドクターからνG二号機を強奪し、自らνG二号機の稼動データ取りに協力。
・現在では学校に通う傍らISパイロットとして仕事をこなしたりと、地上で精力的に活動をしているのだとか。

「私聞いてない」
「聞かれなかったからね」

とりあえずドクターには軽く裏拳を入れておいた。何椅子から転げ落ちてるんだか。オーバーだよ。
しかもウーノ姉に慰めてもらってるし。けっ、ドタコン(DaughterComplex)め。

然しギン姉もなんというか、思い込んだら一直線と言うか。情熱的と言うか視野狭窄というか。

「うー」

まぁ、私に言えることは一つ。
おどおどしたギン姉はS心にキタが、デレたギン姉はストレートに滅茶苦茶可愛い。

……うー、ギン姉の笑顔に悶絶。

――スバル親父化進行中。

単一仕様オーバーロードは後に設定を弄るかも。
・敵対して負け様が無いIS――BT、SG、RRC2など。
エネルギー兵器主体の相手には無敵。第二世代とか問題外。BT? くふふふふ。
・敵対してまぁ問題ない相手――甲龍、SRなど。
燃費重視とか問題外。SRには単一仕様の相性がいい。
・苦戦するかもな相手――ML、白、紅など。
νGのセンサー系は優れているが、それを上回る奇襲などを仕掛けうるMLとは相性が悪い。パイロット性能を鑑みれば奇襲は利かないので問題なし。
白式はエネルギーを消滅させてくるが、単一仕様で放たれるオーバーロードのそれはISのエネルギーとは別物なので無効化できず。それでも零落白夜が直撃すればISとしては落ちる。但し操縦者が覚醒しそうで怖い。
紅椿の単一仕様が一番厄介。技術レベルなら負けはしないだろうが、単一仕様によるエネルギー無限増幅とかやられると、紅椿の増幅とνGの吸収の単一仕様同士のガチンコ、維持の根競べとなってしまう。

因みにギン姉の機体は、量産型νFF装備型。低いNT適性を演算能力とサイコフレームで補っている為DFFの操作は無理。またIS操縦者としての錬度も低い為、HWSなどの過剰負荷装備も無理。但し素直に強く、ビームサーベルがあるのに拳骨で殴りかかってくるお人。
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