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32 アクシズ

2012.06.15 (Fri)
「でも、よく核パルスエンジンなんて作れたよね」
「宇宙に国境は無いからね」
「……ちゃんと許可取ったんだよね? って、何処に許可取ったの?」
「宇宙に法律は無いからね」
「…………」
「…………」







アクシズ。重力ベルトから引っ張られてきた、資源採集用の宇宙機動要塞。
現在此処では、重力ベルトの影で建造中のマクロス級リジェネレイトの構成パーツの開発を急いでいる。
アクシズの主機動力は二次元核反応炉による超高出力発電。基地としての性能は十二分以上にあり、AICの応用によって十分な疑似重力も再現できている。
然し、それでも尚、人と言うのは空が無くては生きていけない生き物らしい。

「速く完成しないかな、リジェネレイト」
「アイランド1が未完成なんだってさ。バトル部分なんて後回しでも良いのに」
「いや、それがどうも件の連中が此方をかぎまわってるらしくてな。上もそれ対策にピリピリしてるって話だ」

通り過ぎていく作業員の皆様。矢張りこの密閉空間で長時間作業していては、ストレスの解消も難しいのだろう。

然し、彼等も話していたが、今現在N&Tが警戒している相手。量子コンピューター相手に平然とハッキングを仕掛け、アンチプログラムと対等に渡り合い、その上脚を掴ませずに逃走する。そんな化物は、この時代この世界には少なくとも一人しか存在しない。

そしてもう一件。どうも、亡国機業側が此方に敵対的な行動を取っているらしい。
元々は同じ親元の組織であったのだが、どうやらあそこの組織、賢者達から脱却したというか追放されたらしい。好き勝手やりすぎて、賢者達傘下の組織にダメージを与えたのだとか。阿呆すぎる。
結局あそこは個として活動を続けているらしいのだが、全く持って何処かの天才科学者に裏で操られているらしく、妙に要所要所で攻勢をかけてくる。本人達に自覚は無いのだろうが。

結局、νGの改装中に得た情報はこんなところ。
何せIS学園と言うところは、日本の中でもかなり外部との情報交流が遮断された場所にある。
まぁ、内部の情報が簡単に外に洩れない為の処置なのだろうが、おかげでN&Tの情報を手に入れるのも中々難しいのだ。

「……私も、ちょろっと細工しておくかな」

専用のマルチインターフェイス。第三世代型の特徴である思考インターフェイスを作業用PCに応用したシステム。それを用いて、ネットに色々と仕込みをしておく。
篠ノ之博士の痕跡を見つけ次第、手近な軍や警察に自動的に通報するというシステムだ。
しかも外部にはばれないように、最終的にはひっそりと通達されるように、アナログを経由するようにチョロッと細工して。

「ぱーぺき」

これでビッチ兎に対する多少の嫌がらせにはなるだろう。
と言うか、その内所在地を見つけたらミノフスキー粒子散布ミサイルを撃ち込んでやる。ネット厨のビッチ兎に情報遮断とかかなり鬼畜だろう。
まぁ、代償として地上の通信網が大パニックを起こす可能性があるが。

さて、次だ。
幾らドクターの作品とはいえ、自分の機体に使われる素材の事くらいは把握しておかなければ成るまい。
私の権限はドクターの次。つまり、支配者権限に次ぐほどの高位の物だ。ブッチャケアクセスできないのはドクターの秘蔵フォルダくらいで、逆にドクターは私の権限にアクセスできない、と言うレベル。まぁ、そのほかにも色々プログラムを組んでるから、簡単にはアクセスできないだろうし。

とりあえず、私の権限を使って、γ合金、ε合金、ついでにサイコフレームとの反応やら実験段階のテストデータなんかをいろいろと見ていく。
……ふむ。ε合金のテストベッドはサイコ・ギラ・ドーガを使ったのか。まぁ、サイコフレームとの親和性チェックとかも合ったのだろう。幸い問題は無かったらしいが。

そうそう、NMSS計画といえば、次にジェガンの開発計画があったっけか。
最新の量産型第二世代。各種量産型兵装と抜群に相性が良く、様々な装備に換装が可能。尚且つ、安くて速くて強い。
グッドな計画では合ったものの、N&TのメインであるA-10とバッティングする可能性を指摘され、あえなく没となったのだけど。
あれをテストベッド用に開発しなおすのも良いかもしれない。あれ、ドーガ系と並んで汎用性高いし。

と言うわけで、資料のチェックを完了。データを見た限りでは問題無さそうだ。と言うか、サイコフレームの構造素材もε合金由来の素材に変更するのな。面白いから良いけどさ。




さて、次だ次だ。私の休日はこの土日の二日しかない。月曜日までに学園に帰島しなければ、担当に何を言われるかわからないし。
といってもまぁ、五月初頭のクラス対抗戦までは、どうせイベントも何も起こらないのだけど。

「ふむ、素材のチェック用にサイコフレームの見本を貰っていくか」

自分でのチェックの為といえば、ある程度は融通してくれる筈だ。何せサイコフレームの考案者にして運用者である私だ。自分でチェックするくらいは何の問題も無い。
第一私からどこかに情報が洩れたとして、サイコフレームを再現できるほどの技術力を持っている存在なんて限られている。
宇宙に研究施設を持っていて、尚且つサイコフレームを解析できるほどの技術力を持っている。そんな存在は、可能性として篠ノ之博士くらいしか考えられないし。
さて、話が逸れた。

チェックする項目。マクロスは基礎設計を私がしただけで、その後の開発には基本的に関わっていない。
一応開発状況の日誌は確認させてもらっているが、特に大きな事故も無く開発が進んでいるようで安心している。
問題は、開発のために運用されている宇宙作業服とパワードスーツだ。

例えばコレがナンバーズの皆なら、コネクタを接続する事でパワードアーマーをダイレクトにコントロールする事が出来る。
けど、普通の一般人がパワードスーツを扱おうとすると、相当な技術を盛り込んだ代物を作らなければならない。

で、現在運用されているのは、油圧電力制御式の、いかにもSFに登場しそうなパワードスーツだ。エイ○アンとかに登場しそうな感じの。
然し、あれは如何考えても細かい作業には向かない。そこで現在開発しているのが、イメージインターフェイスの応用を積み込んだ、セミ・マスター&スレイヴシステム搭載型のアーマードスーツを開発している。単純に人体の挙動をトレースするのではなく、まぁ色々と操作に癖があり、開発自体は成功しても運用に難があるという一品だ。まぁ、元々イメージインターフェイスが無く、操作がかなり難しかったところに思考操作装置を追加したおかげで大分動かしやすくはなっているのだが。

此方の改良案、一応IS学園に通っているあまり時間で色々と考案してある。スラスターの改良案だとか、ジェネレーターの改造案。情報系等を量子コンピュータに一極集中しようか、とか。

まぁ、どれも原案ばかり。コレを開発班に投げて、後は私はノータッチ。





……ふむ、こんなところかな。
気づけば既に結構な時間が経過していた。そろそろ地上に戻って寝ないと、授業に色々差し支える。
いや、寝ない心算なら未だ少し時間が有るけれど。
誰も、徹夜できるからといってあえて徹夜したがる人間は居ない。

『ああ、スバルかい? 調整出来たよ』
「あ、うん。丁度そろそろ地上に降りようと思ってたところだから、すぐ取りに行く」

突如響いた通信。それに簡単に答えて、情報室を後にする。
うん、次くるときは、地上から食料をちゃんと持ってきておこうと思う。

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