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37 訓練風景inバラライカさんの暴虐 もしくは3組の日常

2012.06.15 (Fri)
「と、言うわけで本日は実機訓練でーす」

つまりはそういうことだ。
何時も通りにN&T社製のスーツ「強化装備」を身に纏い、グラウンドに集合する。
――く、デザインした私が言うのも何だけど、コレ男の前では着れないなぁ。
いや、女子の前でも十分恥ずかしいんだけど、周りも似たり寄ったりだし。

「く、なんてスタイル」
「オーストラリアのは化物かっ!!」

イリーナとイルマの戯言は無視しつつ、軽く体を動かしてから整列位置に移動しておく。
うーん、要所要所は確りガードしてるし、胸が揺れて痛いとかいうのもないから性能はいいんだけどなぁ。最近先生がチームに加わった事で、XM3とか導入して、スーツの癖にバカみたいな性能誇るんだけど、エロいのがなぁ。
見てる分には楽しいんだけどなぁ。

「と言うわけで、本日は実記を使った訓練をする。具体的には、貴様等には学園保有のISを実際に装着してもらい、各自数分ずつ、実際に実機を動かしてもらおうと思う。――と、その前に」

言うと、バラライカ女史はその鋭い目を此方に向けてきた。
私、何かした?

「スカリエッティ訓練生、前へ」
「はっ!」

思わず軍隊時の訓練生口調で声を上げる。ううう、何故だ!?

「宜しい、安め」
「はっ」
「スカリエッティ訓練生。貴様には先ず、諸君に実際のIS戦闘と言うものの見本を見せてもらいたい」
「見本、でありますか」

思わず言葉を濁す。何せ、言うほどに私もIS戦闘に優れているというわけではない。
私が優れているのはあくまでも基礎的な身体能力。そして脳力を初めとした思考制御系と、直感を初めとした第六感系能力、そして思考と直感を同時に扱うカオスタスク。それこそが私の全てだ。
実戦経験は有るといえばあるのだけれども、対IS戦闘と言うのは出撃回数の3割にも満たない。

「そうだ。何しろ此処の連中が実際に見た事のあるIS戦闘といえば、ついこの間のあの腑抜けた白いのの戦闘だけだ。あの程度がISの戦闘などと思われてしまっては、甚だ不愉快だ」

なるほど。確かに今の時期、実際に行われた高レベルのIS戦闘といえば、まだ白式対甲龍のアレが鮮烈だろう。それ以前の物といえば白式対BT。どちらも白式の絡む、正直IS戦闘としてはレベルの低いやつ。
いや、リンと戦ったときの白式は強かったけど、途中中断だし、BTは論外。何せセシリアはIS適性とBT適性で国家代表を張ってるだけのやつだ。兵士適性とか低そう。

「スカリエッティ訓練生。直ちにISを展開せよ」
「はっ!」

一歩前へ進み出て、その場でIS――νGをフル装備で展開させる。
現れた純白の機体。周囲の視線が突き刺さるのを感じつつ、けれどもそれをおくびにも出さずに佇んで見せた。

「良し。では貴様の相手はアレにしてもらおうと思う。本来は私が相手をしたかったのだがな。この学園のISでは私に付いて来れん」

そういってバラライカ女史が指差した方向。其処には、遠くから接近してくるISの機影がひとつ。
機種はデュノア社製第二世代量産型、ラファール・リヴァイヴ。そしてこの搭乗者は――おぉ、ロリ巨乳!?――じゃなくて、山田麻耶先生かっ!!

ドジッ子天然という印象の強い山田先生だが、イチカさえ絡まなければきりっとした美少女系教師。地面まであと数ミリと言うところで機体をくるっと一回転させ、綺麗に慣性を相殺、そのまま静かに着陸した。

「うむ。相変らず見事だな、マーヤ」
「あははは、たまたまですよう。それと、私はマーヤじゃなくて麻耶で……」
「さて、それではマーヤよ、アレの相手を頼もうか。なに、雑魚の専用機持ちばかり相手にしてなまった身体をほぐす為の物だ」
「ざ、雑魚って……織斑君たちは結構頑張ってるんですけど……」
「誰がチフユの弟の話をしたかね」

ニヤリ、とバラライカ女史。
顔を真っ青にするマーヤ……じゃなくて、山田先生。

「あ、いえ、その、あの……」
「黙っていて欲しければ勝って見せろ。もし負ければ……な。私の口はウォッカで滑りやすいのだ」
「スカリエッティさん!! 悪いけれども先生本気で行くわ!!」

解っているだろう? という表情でニヤリと微笑むバラライカ女史。いや、だからその顔でニヤリは洒落にならないほど怖いって。
あー……うん。いや、別にいいんだけどさ。

「では互いに距離をとって……準備はいいな。それでは、はじめっ!!」











と言うわけで、バラライカ女史の祖国語での罵声が飛び散る中、なんとか山田先生を撃墜する事に成功した。
……バラライカ女史め、どうせ通じないからって、古ロシア語で凄まじい事言ってるな。

……ギロリ
「ひぃっ!!」
「……全く。あれほど言ったというのに、易々と負けおってからに」
「め、面目ありません~」

何せ、私が今回使った武装は、ビームライフルとシールド。それと頭部バルカン程度。武装の3割程度しか使っていないのだ。
山田先生は目が良いタイプの基本の人だから、思考的な搦め手だけで十分に対処できる。

「――まぁ、いいだろう。さて諸君、諸君が今見た戦闘こそが、本物のIS戦闘と言うものだ。従来の戦闘は、当たる弾丸は当たる、外れる弾丸は外れる。いかに有利な狙撃ポイントを先取し、いかに効率よく敵を倒すかと言うのが戦争だった。然し、ISは違う。何せ当たる弾丸を撃たれてからでも回避できるし、回避どころか弾丸を切り払う事とて不可能ではない。実際スカリエッティがやったように、実弾をビームで蒸発させるなどと言う荒業も、ISならではの戦いといえるだろう。……さて」

唖然とする生徒たちを尻目に、バラライカ女史がパチリと指を鳴らす。と、何処からともなく現れるやたらと厳ついSP達。
しかも妙に行動が規則正しい。……本当にうちのSPか?

「ご苦労軍曹。では持ち場にもどれ」
「了解しました」

……うん、OK。私は何も見てないし聞いてない。懐に光る黒光りとか見ていない。……でも、アレ、マカロフだよなぁ……旧ソ製の。ええい、知らん知らん!!

「では諸君、専用機持ち以外でチームを組め」

言われた途端にすぐさま整列するクラスメイト達。うん、流石にこのあたりはバラライカ先生の調きょ……教育が行き届いているなぁ。

「良し。スカリエッティ訓練生は他の訓練生のサポートに当たれ」
「はっ、了解しました」
「宜しい。訓練終了時は12:00。それまでに全員が実機に触れておく事。……では始めっ!!」

その掛け声と共に実機に群がるクラスメイト達。
うん、数字的な戦力では3組は他組に比べて圧倒的に劣る。成績毎に割り振られてるんじゃないかと想いたくなるようなこの学校だが、その中でも3組は総合的な中堅。高いIS適性持ちの1組2組や、一芸に秀でた四組と比べても、目だったところの無い器用貧乏なクラスだ。
――けれども。チームワークだけは、他に比べて圧倒的に高い。
まるでどこぞの軍隊式の訓練を課せられている3組は、他のクラスに比べて組織力が圧倒的に高く、また基礎的な身体能力も圧倒的に高い。全員がソビエト式のCQCを習っていたりして、私でさえも油断すれば殺られかねないという連中がゴロゴロ。本当、あの先生は3組を如何仕上る心算なんだろうか。





「さて、マーヤの本音をチフユに話して来ようか。あの偏屈がどのような反応をするか、想像するだけでクるものがあるな」
「ちょ、ごめんなさいお願いします堪忍してください駄目駄目駄目私ころっとされちゃいますキャーーーーーー!!!」

山田先生………南無。

「ふぅ、今日の訓練も疲れたわね」
「バラライカ先生のアレ、何処式だかわかる?」
「いやイルマ、普通女子高生はそんなこと知らないし興味も持たないから」
「旧ソ――もしくはベラルーシかな?」
「だからそれに答えられるスバルは何なのかと」
「とと、違う違う。今日は私、幾つかいい物を持ってきてるんだ。クラス全員集合!!――――――いやぁ、コレで本当に全員集合してくれるのがさすがバラライカ先生のクラスだなぁ」
「で、何よスバル。アンタの事だから……」
「ん、皆欲しいかな~と思って。先ず……イチカの使用済みタオル。無地のを買ってきて、訓練後のイチカに渡したのを回収したヤツ。原価5000円から」
「10万!!」「15万!!」「私は20出すわよっ!!」
「何でいきなり値を吊り上げるのか……、他には居ないかな? それじゃ一夏使用済みタオルはカナンが購入しました」
「いいなぁ」「後で貸して後生だからっ!!」「イヤよアンタ捕食するじゃないっ!!」
「さて、それでは次、イチカの飲みサシスポーツドリンクっ!! コレはそうだね、定価の150円から……」
「1万円っ!!」「1万五千っ!!」「1万9千っ!!」
「……皆好きだよねぇ……」

そうして、3組の団結は日々増していくのだった。(嫌な方向に)
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コメント
パラライカ先生のアレ、何処式だかわかる?→〝バ〟ラライカ先生のアレ、何処式だかわかる?
くもり | 2012.06.24 21:36 | 編集
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