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38 ヒーローisスケコマシ

2012.06.15 (Fri)
「相変らず女の敵だねぇ」
「酷っ!? 俺何か悪いことしたか!?」
「いやいや、一人の人間として、イチカのやってる事はきっと尊敬できる事だと思うよ、うん」

某日某所。一人こっそりと第三アリーナにてνGの訓練をやろうとしていたら、突然一夏が飛び込んできた。
いや、こんな早朝からご苦労様なことです。
あと、何で私がシャルロットの事知ってる前提で話進めてるのかなイチカは。え? スバルはなんでも知ってるだろうって? 何でもじゃないよ、知ってる事だけだよ。

「とりあえず特記事項二一を出しておいたらシャルは大丈夫だって言ってたんだけど……」
「無論、それだけじゃ足りないのは理解してるよね?」
「……いや、それで何とかなるかなー……って思ってたんだけど……だめ? やっぱり?」
「うん、駄目」

幾らIS学園側の取り決めで守られる事が確かとはいえ、世界はIS学園だけで完結しているわけではない。シャルロットがシャルロット・デュノアである限り、デュノア社……ひいてはデュノア社長の影響は如何しても付きまとう。
確かに3年間、IS学園の中に居る間は安全に見える。……でも、本当に? 三年間、一切IS学園から出ないのか? 三年間、IS学園……もしくは、シャルロットを守りうる戦力の庇護の手のとどかないところに一切行かないと、そう本当に断言できるのか。

うーん、どうした物か。
シャルロットの身柄を引き受ける? どうやって。性別擬装なんていうのは正直な話弱みに成らない。やろうと思えば「性別は書類の不備だ」で押し通して、貴重な戦力であるシャルロットを強制的に本社に引き上げさせてしまえばそれでおしまい、と言う可能性もあるのだ。
いや、それ以前にシャルロットが処理されないとは誰も言い切れない。

いや、デュノア社を敵対的買収するっていう方法もあるんだけど、正直あそこを吸収してもあんまり旨みはないし。
確かに世界の量産型ISの大きなシェアを担っているというのは美味しいのかもしれないが、所詮旧式。発展性の無い会社を取り込んだところで、荷物を背負う以外に意味はない。第一あそこ旧AMIのサポート範囲と大分被ってるし。
いや、私が完全に単独で私ツエーやってるオリ主とかならそれもアリかもしれないけど、責任ある立場としては不利益を承知で会社に負担をかけるのは……うん。

「やっぱ、うちでやるなら技術と身柄の交換かなぁ……」
「何とか成るのか!?」
「でもなぁ……」

いや、技術を売れない、と言うわけじゃない。技術なんぞ腐るほどあるのだ。一つや二つ表に出したところでなんら問題は無い。
然し、だ。果たして、ウチから放出した技術を、たかが第三世代型の開発にすら引っかかっているデュノアが吸収することが出来るのか、というのが……うん。

「何か良い技術あったかなぁ?」
「頼むスバル! 俺に出来ることならなんでもするから……!!」
「ぬぅ……まぁ、後で実家に連絡して、何か手が無いか確認しとくよ」
「そうか、有難う!!」

言って満面の笑みで手を取るイチカ。だからそういう一つ一つの行動がきっと女の敵たらしめているのだろう。さっきから周囲のお姉様方(上級生の朝錬生)の視線が怖い。

「まぁ、いいさ。それよりもイチカ、折角こんな時間にアリーナに着たんだ。久々に実践訓練の相手をしてやろう。イギリス(ちょろいの)と武士っ娘(ツンデレ)相手に腕がなまってないか確認してやるっ!!」
「ちょ、ま、俺は……って、もうνG展開してらっしゃる!?」
「問答無用!!」
「せめて展開する時間くらいくれっ!」
「展開速度もまた武器。遅いのは自らの未熟を悔やむが良いっ!!」
「お、おおおおおお!!!???」

で、その後イチカの通例の起床時間が訪れるまで、延々と、白式にダメージが残らない程度にいたぶり続けたのだった。
……旧AMIの拡張領域増強技術(6年前の技術)くらい渡せば何とか成るかな? AMIってIS自体はヘタレだけど第二世代向け後付装備(イコライザ)とかは割りと得意だったし。




と、いうわけで。

「さぁ、今日の品物はイチカの物干し竿から風で流されたこの一枚の布。名称まで言っちゃうといろんなところで引っかかるから、無粋な事は言っちゃ駄目だよ?」
「3万!」「5万っ!」
「おk、それじゃトランk……もとい、この「織斑一夏の下腹部肌に直接触れていた布地」は5万でマユラの物と成りました~ んじゃ、次はこのハンケチ! 聞いて驚くなかれ、これ、織斑千冬のお古をイチカが使ってた物だっ! 古くなって廃棄するところを頂戴してきました」
「「「「「「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」




ふぅ、今日も良い仕事をした。廃品を売りさばくだけで一般会社員一か月分以上の収入を得られるんだからもう。IS学園にはエリート、つまりお金持ちなお嬢様が多いからなのだろうけど……大半腐ってるのがなぁ。

通例のバザーを終えて、リンと約束していた第三アリーナへと足を運ぶ。
なんでも件のイチカとのデートのために学年対抗戦で一位を狙うらしい。ははぁ、それはまたご苦労な。
で、私は何時もの競りがあるからと先にリンを向かわせていたのだけれども。
はて、何か妙にドンパチしてるなぁ。

「…………………………ふむ。…………………………………………………あぁ、厨二……じゃなくて、黒兎の」

IS原作では、チョロイのとリンが大ダメージを受けて、学年対抗戦を断念せざるを得なくなった一件だ。まぁ、この世界のリンは、私の監修が入っているチートリンだ。たかが軍人風情如き、そう易々と倒せる相手ではないのだけれど。
……まぁ、相手はアドヴァンスドだしなぁ。どうなる事やら。

なんて事をのんきに考えながら、第三アリーナへと足を勧める。
おぉ、見事。甲龍とレーゲンが辛うじて拮抗している。驚異的なAICだが、BTのレーザー攻撃による牽制で、何とか拮抗しているといった所か。
うーん、BTは戦力外として、シェンロンとシュヴァルツェア・レーゲンでは相性が微妙になぁ。何だかんだ言って、シェンロンは近接格闘型。対格闘型用兵装ともいえるAICを持つシュバルツァ・レーゲンを相手にするのには苦労するだろう。
イギリス娘? IS適性とBT適性だけのヤツに何を期待しろと。

とか思ってみてたら、イギリス娘が不意をつかれた。
オールレンジ兵器の操作中、自機の隙をつかれて、ワイヤーブレードが襲い掛かる。あーあ、残念、彼女の冒険は此処で終わって……って、何やってるリンっ!!

咄嗟にBTの前へと踏み出した甲龍。遠心力を受けて相当加速していただろうワイヤーブレードは、然し甲龍の頑丈な装甲の前に辛うじてその威力を減衰させ、然しリンとイギリス娘はその衝撃を受けて、勢い良く地上へと墜落して……辛うじて、その直前で二機を受け止めた。

「全く。手加減も知らないのかドイツ軍人!」
「……ふん、愚物を釣る心算が、餌に掛かったのは別な物らしいな」

腕に掴んだリンとイギリス娘を見る。どうやら二人とも気絶したらしく、それと同時に二人の身体からISが光となって消えた。どうやら待機状態に移行したらしい。
それを確認し、二人をすぐ傍に居た上級生へと預ける。ちょっと前にギン姉と一緒に居た人だし、まぁ大丈夫だと思う。

そうして、二人の安全を確保して。ゆっくりと上空へと機体を持ち上げる。

「オーストラリア、N&T社製IS νG。……ふん、データで見た時のほうが……っ!?」

咄嗟に回避するシュヴァルツェア・レーゲン。まぁ、あんな牽制打に当たられたほうが興ざめなのだけれども。

「戦闘中にぺらぺらと、偉く口が廻るね、軍人娘」
「……貴様ぁ!!」
「――ふん、口を動かす前に体を動かせ、ド三流。ほら、いつまでも立ち止まってて良いのかな!!」
「な、動的空中機雷《アクティブエアーマイン》だと、何時の間に――くっ、おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」





というわけで、私対ボーディヴィッヒでのIS戦闘にしゃれ込むことと成った。
本来なら此処で介入するのはイチカのはずなのだけれども、うーん連中何してるんだろうか。

HWSに格納されていた機雷でシュヴァルツェア・レーゲンの行動範囲を限定しつつ、くるくると空中に円を描きながら互いに牽制を撃ち合う。


「ぐっ、落ちろ素人(アマチュア)っ!!」
「生憎コレでも専門家(スペシャリスト)だっ!」

――っ!!

放たれたレールカノンを余裕を持って回避する。予測される次の攻撃はワイヤーブレードによる斬撃。予め回避運動をとらせつつ、バルカンで牽制する。

「ふん、そんな豆鉄砲、このシュヴァルツェア・レーゲンには効かんっ!!」
「織り込み済みだよ馬鹿!!」

反射的に腕でバルカンをガードしたシュヴァルツェア・レーゲン。一瞬で来たその死角は、けれどもIS戦闘においては致命的と成りうる。

一瞬で来た死角を伝い、即座にシュヴァルツェア・レーゲンの背後へと回り込み、ビームサーベルを抜き放つ。

――――バチィッ!!

「ちっ」「くぅっ!?」

プラズマ手刀――っ!! そういえばそんな装備も積んでいたっけか、迂闊っ!!

咄嗟に引き抜いたもう一刀のビームサーベルで、ドイツ娘の左プラズマ手刀を斬り返す。
機体のシールド領域同士が干渉しあうほどの至近距離での高速連続格闘。バリバリと凄まじい勢いでエネルギーが消耗していく。

「くっ、AI――」
「させるかっ!! 振動拳っ!!」

咄嗟に低出力で放ったIS振動破砕。人体を破壊するほどの出力は無いものの、それでも受けた振動は人体を前後不覚にする程度の威力は持っている。
AICの運用には極度の集中力が求められる。現在、振動拳の影響で上手く体を動かせないであろう彼女に、AICを運用するのは至難の業であろう。

「ちぃっ!!」
「ぬ、くぅっ!!」

と、ついに破れかぶれになったか、ドイツ娘は肩のレールカノンを乱射すると、そのまま此方に向けて勢い良く突っ込んできた。
張られた弾幕に、如何しても直撃するいくつかをビームライフルで迎撃し、迎撃し切れなかった分を盾でベクトルを逸らして回避して。そうして接近してきたラウラ・ボーディヴィッヒに、必殺のビームサーベルを――――。

「おおおおおおおおおおお!!!!!」

とか考えていたら、いつの間にかイチカとシャルロ――もとい、シャルルがアリーナへと割り込んできた。
漸くかと考えていたら、イチカがAICにつかまった。
いや、ドイツ娘よ、「私とシュヴァルツェア・レーゲンの前では、貴様も有象無象の一つに過ぎない――――」とか格好つけてるけど、私にボコボコにされて既に装甲が所々剥げてボコボコだってわかってるんだろうか? アレだよ? ビーム兵器の直撃こそ無かったものの、機雷とかバルカンとか牽制兵器にはボコボコ当たって装甲は所々剥げたり欠けたりしてるし、今の台詞前に深呼吸して呼吸を整えて他のもバレバレだよ??

で、イチカが頑張って離脱して、ラウラが此方をガン無視しながらイチカに追撃をかけようとして――超人千冬さん登場。うわぁ、本当に生身でIS用近接格闘ブレード振り回してるぅ……。

「模擬戦をやるのは構わん。――が、アリーナのバリアーまで破壊される事態になられては教師として黙認しかねる。この戦いの決着は学年別トーナメントでつけてもらおうか」
「教官がそう仰るなら」

そう言ってドイツ娘はISを量子格納してしまった。ちっ、あと少しでダメージレベルC突破だったのに、逃げられたか……。

「織斑、デュノア、スカリエッティ、貴様等もそれでいいな?」

そんな織斑千冬の声を耳朶に、仕留め損ねたという事実に思わず苦虫を噛み潰すのだった。



「いかんなぁスカリエッティ訓練生」
「は、げっ、バラライカ軍曹」
「教導隊隊長――いや、先生だよ馬鹿者。――然し、貴様ほどの手だれが仕留め損なうとは。その相手とやらはよほどの達人だったか、それとも私の見込み違いだったか」
「バラライカ先生! スバル――いえ、スカリエッティ訓練生は確かに敵を圧倒していました! ただ、想定外の乱入者によって戦闘が強制中断され――」
「喧しいぞ古訓練生! 今私はスカリエッティと話しているのだ!」
「ひっ――い、Yes,Ma’am!!」
「宜しい。然し、成程ドイチェランドの軍人か。――ふむ、貴様等、ソレに馬鹿にされて悔しいか。どうだ御剣訓練生」
「はっ! 悔しいで有ります!」
「宜しいならば私が貴様等を一騎当千の古強者へと育てよう。但し今までのような生ぬるい訓練(※日本陸自式)と同じ物だと思うなよ? 此処から先は私の本気(民主主義海兵隊式(本当は社会主義強権式にしたいが短時間だと海兵隊式のが効率的))だ。付いてこれない物は放置する。そして一人脱落すればクラス全員に連帯責任! 覚悟はいいな! 覚悟が出来たなら返事をしろ! 覚悟ができていなくても返事をしろ! そもそも貴様等の意見は聞いていないさぁ諸君腹の其処から声を上げろ死にたく無ければなぁ!!!!!」

「「「「「「イェスマム!!」」」」」」
「声が小さいもう一度ぉぉ!!!!!!!!!!!!!」
「「「「「「マム!! イェス!! マム!!!!!!!!!!」」」」」」

そうしてこの日から学年対抗戦までの放課後、常に何処かしらからロシア語訛の激しい罵声と掛け声が延々と響くのだった。
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