FC2ブログ

15 閑話2 ウェールズ編

2012.07.16 (Mon)
「なんか、あいつの成長速度ってちょっとおかしくねえ?」

ベース……既にUHBの溜り場と化したそこで、不意に龍次――神奈川のがそう呟いた。
視線の先に移るのは、訓練スペースでレヴィと切り結ぶソーマの姿がある。
「確かになぁ」
麻帆良の――カズヒロが、そんなリュージの言葉に同意した。
確かに、思えば彼の成長速度は凄まじい。
なにせ彼は既に、子供の頃から神鳴流に触れていたボクのスペックを圧倒してしまっている。
多分今彼とやったところで、ボクでは彼に一太刀報いるのが精一杯だろう。
多分、一撃入れた瞬間に落とされる。
「まぁ、本人も努力してるのは知ってるんだけどな」
「……そりゃ、あんな可愛い彼女がいればなぁ」
そういうカズとリュージの顔には、羨ましいという文字がべったり。
当人達は否定するが、端から見ていればあの二人――ソーマとリインフォースは酷いバカップルだ。
確かに巷のバカップルのように所かまわずいちゃつくタイプではないのだが、その行動一つ一つがまるで長年連れ添った夫婦のようにしか見えない。
最近は地元でも見ない、「一歩後ろを歩く」を普通に実践するリインフォースと、そんなリインを表情にこそ出さないが猫可愛がりするソーマ。
何が酷いって、その空気に当てられた馬鹿二人が、その都度呪詛を唱えだすのだ。
「でも、努力だけでは説明できない部分もあるよね」
彼の魔法は、リインフォースにより常に修練を繰り返している。馬鹿げた数のマルチタスクをフル稼働させることで、ありえないレベルで魔法技術を習得しているのだ。
それに加え、あの肉体。特質「吸収」で得た闇の書の闇を取り込んだもの。魔力でブーストしやすい上に、虚数から組み上げたエネルギーを得ることで無限により強いものへと変化していくのだとか。正直彼の身体は既に「人体の形をした何か」だ。
でも、ならば戦闘経験は? 確かにイメージトレーニングである程度賄えるのは知っているが、それにしては成長速度が如何考えてもおかしいのだ。
例えば彼のラカン戦。あの開始前の彼であれば、未だボクでも善戦することは出来るレベルだった。
然し、中盤――虚数に覚醒し、巻き返しを図ったその半ばで、既にボクの戦闘技術では相対できないレベルになっていた。それは、あの無限の魔力なしでの、戦術的なレベルで、だ。

あれか、人類最強か。寧ろ人類最終か。

「どっちかってと、灼熱の揺り籠(フォマルハウト)じゃね? 暴走特急的な意味で」
「肉体的にはブレインズだけど」

いや、アレは胸囲を脅威と掛けた洒落だっけ?
じゃなくて。しかもアレで未だ成長中というのだから恐ろしい。
この間なんて「チョット修行に行って来る」なんて言って、魔法世界はグラニクスから西のほうへと飛んで言ったらしい。
でも、グラニクスの西で修行できそうな場所なんて無かった筈。なにせ、あの辺りにはあの脅威の大地、ケルベラスくらいしか……。
いや、まさか……でも、帰ってきてから妙に強くなってたし……。「もうラカンも恐くねー」とか言ってたし。
――うん、考えるのは止そう。

「ん、貴様等は何をだらけておるのだ」
と、そんな事を話し合っていると、不意にPXにディアーチェが訪れた。
ディアーチェは良くPXかベースの艦橋でデータをいじっている。遭遇率としてはまあまあ。
「んー、ソーマについてな」
「あいつ、成長速度が凄いなぁ、って」
リュージの言葉をカズが補足する。あの二人って妙に息があってるんだよな。
「ふん、あの程度、嘗ての聖王に比べれば未だ未だよ」
「聖王って、そんなに凄い人だったの?」
「うむ。我々も直に会ったわけではないのだが、最後の聖王オリヴィエなど、幼少の砌には既に拳法を会得し無敵、戦場に立てばその拳で一騎当千。愛用の剣を佩けば天下無双。放たれる火砲の悉くを蹴散らし、最前線にて大地を薙ぐ。炎も毒も蹴散らして、戦塵無双の限りを尽くし、戦いの果ての平和を願いその悉くを叩き潰す」
「……何か、凄い言われ様だな」
「というか、その言われでよく聖王教なんて出来たな」
「ん、アレは元々――ふぁんくらぶ? のようなものだ」
「「「「はぁっ!?」」」」
と、驚いたところで不意に声が一つ増えていることに気付く。
風見、居たのか。
「ええ、ちょっとデバイスのメンテと提起報告に――で、聖王教会がファンクラブって如何いうことよ?」
そう言いながら怪訝そうな顔で問う風見。
「うむ、聖王といえば、それは美しい美女でな。そんな美女が、憂いた表情で平和を願う……。元々彼奴を慕う兵士も多く、更には覇王インクヴァルトとの悲恋だ――ただでさえ慕われていた彼奴だ。そこに悲恋などという塵芥の好みそうな話まで加われば……後は、わかるな?」
うーわー、と頬を引きつらせる転生者組。秘められた聖王教会の黒歴史が、異世界でつまびらかに!
「――まぁ、冗談だ」
「おい!」
「3割くらいな」
「「「「……………………」」」」
もうこの話は止そう。もし本気で聖王教会=聖王ファンクラブが事実だったりしたら、ボクらはその煩悶をどこにぶつければいいのかっ!!
「然し、その点を見れば、同じ聖王の資質を持ったものでありながら、アヤツの成長速度はたいしたものではないと思うのだが」
「……いえ、僅か10歳であのレベルであれば、十分驚嘆すべきかと」
「おぉ、シュテル、いたのか」
「はい。……ディアーチェと幽香もどうぞ」
と、訪れたのはシュテル。両手で持ったトレーの上に乗った紙コップ。香りからしてコーヒーかな。
――と、言うか。
「……聖王の資質?」
ふと、ディアーチェの言葉に引っかかるものを感じた。
そう、聖王の資質。確かにソーマは聖王の魔力を持っている。が、それが何故ソーマと……

「――ああっ!!」
「ど、どうしたんだよミズチ!?」
そうか、そういうことだったのかっ!! なんて凡ミス! なんたる落とし穴!!
「つまり、特質:聖王=聖王の魔力じゃなくて、本当に聖王の資質ってことなのか!?」
「何を言っておる、貴様等が最初に言っていたことであろうが?」
何言ってんだコイツ、見たいな目で此方を見てくるディアーチェ。ただ、それ以外の転生者組みは、ボクの言いたい事を理解してくれたらしく、その頬を引きつらせていた。

思い出すのは原作のヴィヴィオ。
彼女は高町なのはという強者に近付くことで、その強さを学習して盗み取ったのだ。
冷静に考えてみれば、一緒に居ただけでその技能を盗み取るなど、とてもではないが不可能だ。
彼女の当時の状況を考えれば、一緒に訓練をするなどということもありえないし、となれば彼女は本格的に「見取り稽古」だけで高町なのはとフェイト・T・Hの技能を学習したという事に成る。
もしそれが、それこそが聖王の資質であり、それをソーマが備えているのであれば……。

「「「………………」」」
「要するに、ソーマはマジチートって事ね。あいつを斃す方法ってあるのかしら」
「彼奴は『アルカンシェルを撃ち込まれればさすがに死ねる』と言っておったが……」
「そういえば、先日アルカンシェルの習得に成功したとか言っておられましたよ。本人は『レムリア・インパクトだ!』とか喜んでおられましたが」
「「「「「………………」」」」」
シュテルが何気なく呟いた言葉に、全員が頬を引きつらせた。
もう本格的に止められないんじゃないか、あいつ?

で、何故か其処から『如何にしてソーマを斃すか』という話題へと話がそれた。
一方通行、未元物質は虚数の前には無意味だし、レールガンは守りを抜ければダメージを与えられる。が、その無限の再生力の前には千日手は必然。原子崩しも同じで、心理掌握はマルチタスクを掌握しきる前に殺されるのがオチ。幻想殺しは如何か? 確かに防御は――いや、物量で押し切られかねない。というか、虚数の塊が制御を失ったらその時点で世界がやばい。
型月系の直死の魔眼――ソーマは逃げる。逃げて物陰から暗殺する。アイツチートな力持ってるくせに、ヤる時は陰湿にでも徹底的にヤる奴だからなぁ、とはリュージ談。
固有結界? カイゼルファルベで結界を砕かれる。空想具現化? それって世界のバックアップ――精霊を解した能力でしょ? なら魔力を散されるのがオチよ。
フラガラックとかの因果・運命操作系――アンタがアイツの味方である限りは無理ね――また俺かよ!!――そもそも宝具は特質では出ない。レンのミステスはかなり特殊な特質だ。
少なくとも原作キャラで対抗出来そうなのは赤き翼だけ。白い翼とか論外。カズヒロは「コレから毎日校長室を砲撃しようぜ」とか言ってる。チー研は止めろ塵芥。何故ディアーチェがチー研を!?

「……何言ってんのお前ら」

……と、何か妙な方向に進みつつも、その後ソーマ本人も加え、チートキャラ攻略談義へと花を咲かせたのだった。
因みに本人曰く、『魔力を使わず、尚且つ魔導書を圧倒的に上回る演算能力――例えば学園都市の全員を幻想御手で連結した、その“演算能力”で虚数を物理的に突破されれば俺でも拙いかも』との事だ。
重要なのは能力ではなく、その元たる演算能力なのだとか。少なくとも、デバイス数個の連結程度では無理、ムーンセル=オートマトンでも持ってこい、だとか。
つまり無理ゲーですね分ります。










「んじゃ、そういうわけで、カズとソーマはウェールズ出張よろしくね」
活動を開始しだしてから早一年。エヴァの麻帆良11年目を祝いパーティーを開いたり(本人は口元を引きつらせていたが)、地味に新たな転生者をUHBに迎え入れたり。
上級メンバーの生活基盤が地味にベースに移っているような気がする今日この頃。妹が生まれ、親が完全に相手をしてくれないので、暇をもてあましベースのPXで寝ながらディスプレイを閲覧していたのだが。
突如として現れたミズチは、そう言うと俺のデバイス・アルクにデータを送りつけてきた。
「……メルディアナの石化された村人か」
そういえば、そんなイベントもあったか。
原作主人公であるネギの過去として派手に話され、彼の人格形成の所以であり、MM元老院の陰謀として我々の間では割と有名なこの話。
原作では肝心の主人公ネギが、村人を助けるのではなく、悪魔を殺すという復習方面に突っ走ったり、かとおもえばその悪魔を殺さず還すという人格の捻れ具合を見せ付けられ、結局彼等の救済は忘れられたまま原作が終了してしまったのだ。
「石化……ねぇ? 虹の雫か、天使の涙、ストロスの杖かな?」
「ボクは金の針波……じゃなくて、アレって一種の呪でしょ? なら、カズのギガジャスティスで一気に払えるかな、と」
「呪ならシャナクの様な気もするけど」
まぁ、駄目なら全部試せばいいだけだし。
「でも、なんで俺まで?」
「んー、それが、エヴァ曰く「魔法無効化と違った、魔力無効化能力であるアイツのなら、可能性はある」だってさ」
「……つまり、石化させている精霊を吹き飛ばせと」
「石化してる村人は吹き飛ばしちゃだめだからね?」

そりゃ理解してる、と断りを入れつつ、成程なと頷く。確かにそれは俺の出番だ。まぁ、カズに任せっぱなしでも良い様な気もするんだけど。

「でも、カズを連れてっていいのか? 確かエヴァのところで修行中なんじゃなかったか?」
「いやそれが、件の銀髪オッドアイが最近エヴァに付きまとっているらしくて」

曰く、「キミはふつくしい」だの、「俺と一緒に生きろ」だの、矢鱈と口説き文句を吐きながらエヴァに付きまとっているのだとか。エヴァはエヴァでそれを魔法を使っても退けようとしていたのだが、こおる世界―おわる世界のコンボを喰らっても尚平然と「ハハッ、恥ずかしいのか? エヴァはツンデレだなぁ」とかほざくのを見て、迎撃から逃走にシフトしたらしい。
独覚(仏教用語:一人で悟りを開いた気になっているという意味)系(転じて自分こそが絶対と思ってるイタイ奴のこと)の転生者には、我々の存在を知られたくない。その前提で動いている我々は、出来る限り彼に存在を知られない範囲での活動を選択せざるを得ないのだ。

「アレも、他のオリ主思考の転生者に対する牽制としてはかなりの物なんだけどね」
「――然し、哀れなのはエヴァか」
「うん。カズもさすがに哀れに感じてて、『マスターをそっちに匿えないか?』って」
「……まぁ、あそこまで此方に踏み込んでる彼女なら……『ご立派な魔法使い』に情報を漏らすとも思えないし、スキルニルが完成し次第ならいいかな?」

とりあえずこの話は、また後々念話の会議で決めるとして。

「渡航手段は?」
「足跡を残したくない。不正規で」
「んじゃ、転移だな……麻帆良の外でカズと合流して、その後イギリスへ転移、かな?」
「あっちの政府には詳細を暈して、国連経由で一報を入れておくよ」
言いながら、ミズチの虚空からアルクへ座標データが送られてくる。そういえば、ウェールズの山奥なんていわれても場所知らないな、俺。
「じゃ、いってくるわ――リイン」
静かに紅茶を飲みながらハリ○・ポ○ターを呼んでいたリインに声を掛ける。リインはSFな存在な割に、ああいう非科学的な物語が好きらしい。ネット依存症のディアーチェが面白半分にネタバレしようとしたところ、デアボリック・エミッションを叩き込まれて煙を吐いていた。それ以来ベースでは「ネタバレ禁止」が暗黙の了解となっているとかいないとか。

そんなリインの手を掴み、一緒に転移。虹色に輝き回転する魔法陣を広げながら、何か呆れたような視線を向けるミズチに手を振って、そのまま転移した。







そうして訪れた麻帆良郊外。其処には何故かゲッソリした表情のアスナと、同じくゲッソリした表情のエヴァがいた。
「――って、なんでエヴァが!?」
「案ずるな。結界の反応はちゃんと誤魔化してある。だから私も、頼むから連れて行ってくれ」
そう言って弱々しく懇願するエヴァ。
もしかして、アレか銀髪オッドアイの君の件かと視線で問うと、どうやらその通りらしくカズが苦々しい表情で頷いた。
「もしかして、アスナも?」
「……アイツ、ウザイ」
聞いた途端、嫌悪も顕わと顔をゆがめるアスナ。
「そんな表情しなさんな。可愛い顔が台無しだ」
軽く頬を引っ張りつつ、改めて周囲を見回す。とりあえず、何か飲み物でも飲ませて落ち着かせないと。
「リイン、お茶とコーヒーとジュースを適当に」
「はい」
申し訳ないと思いつつ、リインに自販機へとお使いを頼む。
その間に俺とカズヒロでエヴァとアスナを、すぐ傍に有った公園のベンチへ。麻帆良には比べ物にも成らない質素な公園だが、それでも麻帆良が近い所為か、中々に整備が行き届いている。
そんな公園のベンチに座らせた二人。追いついたリインが二人に其々お茶とジュースを渡した。
受け取った二人は、其々にそれを飲み、少しだけホッとした表情で落ち着いていた。

然し、エヴァを此処まで追い詰めるねぇ? って事は、他へのアピールはもう諦めたかな?

「いや、そんな事も無い。恐ろしい事に、マスターをこんな状態に追い詰めながらも、他の原作組みにも確りとウザアピールを掛けてる。このかちゃんからもドン引きされてるんだから相当だぞ」
「……敵ながら尊敬する………って、ちょっとまて。何でお前近衛女史を名前で……」
「――てへ」
「お前またかまたなんかやったのかやったんだろう正直にいえば楽にイかせてやるぞ彼の世になぁ!!」
「ちょ、恐い怖い怖い!!」

本人曰く、偶々街角で出会った少女が近衛このかだっただけで、特に魔法関連での話はなかったとの事。致命的な状況は避けられたらしいが、それでも変な縁が出来てしまったのは事実。
……嫌だなぁ。これ、絶対後のフラグになるぞ。

「――まぁ、いい。今さら過去を悔いても仕方ない」
「そうそう、常に前をみなきゃばっ!?」
お前が言うな。後悔云々よりも先ず反省しろ馬鹿。
とりあえずトラブルメーカーに裏拳を叩き込みつつ、今度は二人に話しかける。――ああ、リイン、その馬鹿にも缶ジュース一本やっておいて。
「でも、其処までエヴァが弱るとは」
「……奴め、私のダイオラマ球に不法侵入した上、私の必殺コンボを喰らって平気な顔をしおった。糸は力尽くで引き千切るし、なんとか合気で斃して追い出しはしたものの、それから幾らウチの結界を強化しても平然と不法侵入。いっそ血をすって眷属化させようかと思ったのだが、あいつの血は臭過ぎて吸いたくない。近寄りたくも無い。逃げても逃げても何処までも追ってくる。 ――麻帆良には、既に、私の安息の場所は、ない」
ゲッソリとした表情のエヴァ。その話の内容を考えるに、コッチまで血の気が引いてきた。
「ワタシも同じ。このかと一緒に居たら付きまとってきて、「お前を助けてやる」とか言いながらへんな術を掛けようとしてきた。なんとか魔法は散らしたけど、薄気味悪い笑顔で「恐がらなくてもいい」とか言って私に触ろうとしてくる。後は逃げても逃げても追いかけてくる。あの、気味の悪い笑顔で」
思い出してか、顔色を真っ青にしてガクガクと震えだす二人。
「わ、悪かった。もういい、もういいから」
「あいつは、きっと今頃ワタシの家にまた入って……嫌だ、あの男が勝手にワタシのベッドにもぐりこんだかもしれないと思うと……あの家には帰りたくない…………」
「――っ!? ――嫌――!?」
「悪かった!! もうそれ以上考えるのストップ!!」
リインと一緒に、二人を思い切り抱きしめてやる。こういうネガティブなときって、人肌以上に落ち着くものはないのだ。
というか、其処までか。一体銀髪オッドアイの君はどんな手段でそこまで精神的に彼女達を追い詰めてるんだ?
もしかして俺と同じ虚数か? 影分身か!?

それから暫くして、漸く落ち着いてきたらしい二人。
少し顔を赤く染めた二人の表情は、中々に可愛らしいものだ。――俺も赤い? 馬鹿言っちゃいけない。そこら辺は滾る紳士力でカバー。前世あわせて結構な年数生きてるおじさんを舐めてはいけない。
二人が落ち着いたのを確認して、ベースのミズチへと連絡を取る。
件の銀髪オッドアイの君の件が、想定以上に深刻である事を告げ、緊急対策を実施する必要を提言。
一応これも、悲劇といえば悲劇だ。
復活したカズヒロ曰く、他にもやばそうな子に長谷川千雨がいて、彼女に対しても「ボクは理解者だ」と言うかのように振舞っているのだとか。
あまりにもわざとらしいその仕草に、既に人間不信の毛がある長谷川千雨はあからさまに敬遠。だというのに彼奴は長谷川千雨に執拗にアピール。既に彼女もノイローゼの域に到達しかけている。
だというのに彼奴は「誰だ千雨をこんなにしたのは!」などと能天気に憤っているらしい。

……銀髪オッドアイの君、なんて、恐ろしい……。

「因みに、なんでお前そんなに詳しいんだ?」
「……てへっ」
「またかまたなのかまたなんだなお前ぇっ!!」

どうも、偶々長谷川千雨が銀髪オッドアイに迫られていた所を目撃。散々ウザ発現を撒き散らして去っていったあと、ついつい「ちうちゃん哀れ」と呟いてしまったのだとか。
で、既に麻帆良のヴァーチャル(幼女)アイドルとして活動を開始していたらしい彼女。10歳でネトアとか常識を盛大に打ち破っているような気がしないでもないが、そこは麻帆良。その程度余裕で常識の範囲内らしい。そんな彼女に目を付けられたこの馬鹿は、偶に彼女の愚痴に付き合う仲になっているらしい。

「お、の、れ、わぁ……」
「いやだってほら! 考えてみればアレだって相当な悲劇だし!!」

――まぁ、いい。彼女に関する責任を自分で取れるというならば、俺からは何も言わない。
UHBはあくまで同盟であって、互いに命令を出来るような関係ではない。
あくまでも、同じ目的に賛同した同士なのだ。

「えー!? 頼むソーマ、ヘルプぐあっ!」
「頼るの前提かっ!!」

とりあえず長谷川千雨にデバイスを用意してやることは約束しつつ、漸く全体が落ち着いたという事で、漸く、本命であるウェールズへの転移と相成った。
大分時間を無駄遣いしてしまった。ウェールズのは早々に終わらせたい。
そんな事を考えながら、周囲に人の気配が無い事を確認。全員を対象に転移魔法を起動させる。
薄らと輝く虹色の三角形に導かれ、俺達はその公園から姿を消したのだった。





■銀髪オッドアイの君
麻帆良に巣食うウザイ転生者。
その溢れる善意(笑)と滾る義憤(笑)で数々の犠牲者を救済(笑)してきた。
麻帆良に封じられたエヴァを孤独から救い(笑)、記憶を消されたアスナに笑顔を齎した(笑)。
更には宮崎のどかと綾瀬夕映に声を掛けたり長谷川千雨に声を掛けたりと好き放題やっている。
相坂さよにも声を掛けたいらしいのだが、残念ながら霊視は持って居らず、女史中等部に不法侵入して周囲をキョロキョロ見し、女子中学で盛大に独り言を言っている様子が確認されている。
※その時点、相坂嬢はコンビニで立ち読みの最中だった。

エヴァの魔法を無効化したり、広大な学園の敷地内から目的の少女を探し出したり、科学魔法問わない防衛システムを突破したりと、洒落にならないほどに神出鬼没かつ無敵で、おおよその特質すら予測できずにいる。
よっぽど自分の技能を磨いた達人でなければ、神繋った超人(バグ)。
但し未だ魔法使い側には上手く接触できていないらしく、精霊魔法の習得は出来ていないようだ。
……なら、如何やって記憶封印だとか登校地獄を解除しようとしたのか? 謎である。

特質
1.不明
2.不明
3.不明


※未だウェールズにたどり着いていない件。
スポンサーサイト



トラックバックURL
http://amane0130.blog.fc2.com/tb.php/92-d82a3bb4
トラックバック
コメント
一つ前の話の修行で木登りをしていた事からおそらくNARUTO系の能力だと想われる。
だからこそ、この銀髪オッドアイが影分身とかで複数人になってソーマを襲ってきたらそいつらを圧倒した後にやられて、今までの人数比が逆になるように分身してこいつらが聖王の鎧を使うのと使わないの…どっちがいい?
見たいな事を言って欲しくなってしまうぜ……


それと、麻帆良のは、主要人物と仲良くなる事は出来ても最後の一歩が踏み込めないで、結果的にソーマに美味しいところを持っていかれるところしか想像できないのは何でだろう……
仮眠 | 2012.07.24 00:56 | 編集
誤字報告
デバイスのメンテと提起報告に
定期報告
真黒 | 2012.07.24 01:14 | 編集
銀髪君の特質
木登りとの事だから、NARUTO系だと思う。
今回の話で思たのは三大瞳術ではないか、という疑問です。
キャラ捜索は白眼、別荘侵入は写輪眼、魔法コンボ無効化?は輪廻眼といった感じです。

1.容姿(銀髪オッドアイ)2.三大瞳術
3.NARUTOの術とチャクラ

こんな感じかな、術や瞳術を気や魔力で代用出来るようにして、チャクラを無しにしても良いかな。



うん、改めて見るとかなり無茶苦茶ですね
ユエ | 2012.07.24 02:09 | 編集
今回も面白かったです。

銀髪オッドアイの君、ただの踏み台ではなさそうだが。
むしろ、エヴァが踏み台状態。
しかし、彼のおかげでエヴァもアスナも千雨もUHBに。
災い転じて福となすにもほどがある。
.......いいぞもっとやれ。

| 2012.07.24 02:32 | 編集
おはようからおやすみまで這い寄る銀髪オッドアイとかwww
つづきを楽しみにしてまーす
D.G. | 2012.07.24 04:18 | 編集
>>銀髪の君の特質
麻帆良在住の銀髪オッドアイのテンプレ転生者が『一人』とは名言されてないんだよなぁ…
今回出てきた人に限って言えば、記憶封印とか呪いを解呪する手段だけ考えれば、例えば型月系の破戒すべき全ての符(の原型or投影品)持ち、つまりUBWとか王の財宝の可能性、もしくはそげぶとか?・・・というわけで特質予想
①見た目(銀髪オッドアイ)
②UBWor王の財宝
③転移系の固有技能(神出鬼没具合から)

当たりじゃないかな・・・

ところで、この世界には多重転生者(つまり作者代行が居る『座』からの派遣者)はいるのかなぁ・・・
「灰色」とか「演算娘」とか。ソーマに相対したくばムーンセルオートマトン持って来いって言ってるわけだし、たってるフラグ回収として「演算娘」の派遣が有りそうで怖いw
kidou | 2012.07.24 08:57 | 編集
転生者の行動が原作キャラたちの生活に悪影響なら
介入もしょうがないよなと思ったりUHBの面々がチートで他の転生者はどうなってんだろうなときになってます。
聖王の資質は見事に一本取られました
麻帆良のはある意味主人公だよな~と感じました
ata | 2012.07.28 00:12 | 編集
誤字報告
魔法世界はグラニクスから
魔法世界の
| 2012.07.28 11:39 | 編集
ソルバニアの魔王の劣化版だよなソーマ
白玉 | 2012.07.29 21:08 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top