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01 考えすぎると鬱になる

2012.07.16 (Mon)
気がついたらバブル前の日本に転生していた。
な、何を言っているか解らないと思うが、俺にも何が何だかさっぱりわからない。
転生とかチートとか、そんなチャチなモンじゃ(ry

というわけで、何故か大昔の日本に転生した。
意味が解らないが、とりあえずもてる現代知識を総動員し、後ろ暗い方法なんかも若干使って溜めた元手を使い、ソレを用いて車やらバイクやらをなんとか作り出して販売。そうして手に入れた金銭を使い、更に新製品やらなんやらの工場を建てたりと、良い感じに金持ちになれた。

嘗ての貧乏人の俺が、今生では真逆、若くしてこんな金持ち人生を得られるとは。


ヒャッホーとか喜んでいたら、ある日突如として空が黒い雲に覆われ、空から舞い降りた黒い機械群。
何か肉っぽいものと混ざり合ったそれの大群に飲み込まれて、住んでいた会社ごと消し飛ばされた。






2周目。


気付いたらまた生まれ変わっていた。
ただ、今回は前回と違い、前回と同一人物として転生したらしかった。
一体何事だと、事態を確かめるべく幼少の砌から新聞を読む幼児。若干地元で有名になってしまったが、今はそんなことは如何でも良い。

そうして調べた結果、今一つコレといって手がかりになりそうな情報を得ることが出来なかった。
仕方無しに、また一般家庭からした俺だったが、そこで不意に目にしたテレビ。そこに、映っていたのだ。新興企業、渡米し一攫千金をなしえた巨人、覇道という男の名前が。

「で、デモベ!?」

まさかとは思いつつも、とりあえず英語を学び始めた。このときの俺は若干6歳。精神年齢は60手前だったが、若い脳と年老いた精神のおかげか、効率よく英語を吸収することが出来た。
といっても日本語英語なので、実際に向うに行くまではどうなるか解らないのだが。

そうしている内に、なにやら父が米国に出張するのだという。
前回ではこんなイベントは無かったのだが――いや、その前に俺が父に株を薦めて、一攫千金を築いたからか。

父に何とか頼み込み、アメリカはアーカムへの出張に同行することに成功。
なにやらこのアーカム、覇道の手により近代急速に発展している都市なのだそうだ。
うわぁ、なんて思いつつ、とりあえずアーカム見学。今の時期がどの時期かはわからないが、少なくともある程度の情報収集は出来るだろう。

――金髪眼鏡のアイスクリン屋を発見。

づおおおおおおおお!!!???
いや、彼女が存命と言うことは、本編より最低6年は前という事に成る。
いやいや、待て、ウェイト。落ち着け7歳児俺。
現状がどの程度進んでいるのかは知らんが、彼女がいる、という事はこの世界は無限螺旋で間違いない。

ええええええええええええええ。
ナニソレ。つまり何か、俺は無限螺旋に捕らわれてしまったと、そういう事なのか!?
いや、待て俺。ストップ。だとすると、然し何故?
デモンベイン。アレはアレで、完成したお話だ。今さら外部から新キャラを追加する必要の無い、オリ主が存在したところで、トリッパーならまだしも、転生者を送り込む必要性は全くわからない。
例えばコレが件の燃える三眼の謀略であった場合はどうか。
いやいや、俺を呼び込んだところで何の利がある? と言うか第一、物語の中の存在が、外側に存在していた俺に干渉できるのか?
では、干渉できる存在とは? ――外側の神? アウターゴット?

いかん、SAN値が直葬される。
落ち着け俺。びーくーる。

とりあえず、俺がすべき事は――。
父親に貰った小遣い。それを使って、アーカムの闇へと脚を進める。
7歳でコレは拙いかなぁ。


アーカムの裏。適当な本屋を巡っている中で、何とか見つけた辛うじて力を持つ魔導書。
ネクロノミコン新訳英語版。正直、魔導書としての精度は最悪に分類されるそれだが、某貧乏探偵の原型である探偵・タイタスが所有していたとされるのもこの新訳英語版だったはず。
さらっと目を通し、若干頭にクる感覚を感じつつ、それを懐に収めて日本へ。

そうして帰ってきた俺は、持てる知識を総動員して魔術の勉強を開始した。
因みに俺は元々の世界では厨二病をわずらっていたオタクさんだ。それ故、クトゥルフ神話に関しても、それなりには知識を持っている。
誤訳だらけと評判の新訳ではあるが、それでも学研のアレよりは大分マシだ。

それからの俺は、普通の学生として日常生活を過しつつ、裏では魔術を学ぶ五流魔導師としての勉強を開始した。
近所では「あそこのボンは変なモンに傾倒している」なんて噂が立てられてしまったが、まぁ確かに変なもんだわな、魔術なんて。
とりあえず、噂が先行しすぎると畏怖の対象になりかねないので、表向きは良い人の面の皮を被る必要性が出てきた。
あー、面倒くさい。俺、基本的にはDQN寄りの駄目ニート何だけど。


そうして、20代の俺。正確な年齢は今一覚えていない。何せ引篭もって魔導の研鑽ばっかりだったので。
現れたのは、件の巨大ロボ。今なら解る。アレ、破壊ロボだ。
然し何故あの狂人博士の作品が日本を襲うのか。アレって確か、夢幻心母から出撃してるんでなかったか?
佳く解らないまま、魔術を駆使して破壊ロボを叩き落す。といっても、俺に使える魔術なんて、現在のところは精々クトゥグアに使える炎の精霊を操るぐらいなのだが。
そうしてなんとか周囲の被害を抑えるように戦いつつ、漸く全ての破壊ロボを叩き潰したと、心の其処から一息ついたところで

「おやおや、こんな極東に、我々の破壊ロボを壊しつくせるだけの術者がいたとは。驚いた。いや実に驚いた。驚いたね!」

思わず息を呑む。振り返った先に立っていたのは、白いスーツに実を包んだ、なにやらエセ臭い老紳士が一人。
然し、魔導師としての――三流にもとどかない俺の魔導師としての感覚が告げる。
――死んだ、と。

逃げろ、でもなく、勝てない、でもない。
であった時点で、俺の死は確定したのだと。

「然し、悲しい、悲しいね。嗚呼悲しいとも。なにせキミが練り上げたであろうこの十数年は、この時点で無駄になることが確定したのだからね」

ドスッ、と何かが腹にぶつかる。視線を落せば、其処には腹を貫くぬらぬらと光る触手のような何か。
それは、スーツ姿の老紳士の左手。そこにあった人面瘤から放たれたものだった。

「ははは、然し驚いた。まさかティトゥスの故郷に、炎の精を操る魔導師がいたとは。はは、しかもこれはこれは。ネクロノミコン新訳英語版。まさか、こんなカスのような魔導書で此処まで戦ったとは。驚いた。ああ驚いたとも」

身体から力が抜けていく。
若干の魔術的強化を施した肉体ではあるが、あくまで人の範疇に入るものでしかない。
心臓近くの太い血管を傷つけられた今、俺に残された時間は残り少ない。

「―――ィ・―――――・――――………」
「うん、何かね?」
「―――……………………」
「ふ、もう喋る元気もないか。いや仕方あるまい。仕方あるまいとも。何せキミの魔導書は所詮新訳。かのマスターオブネクロノミコンのソレに対して、数段どころではなく格が堕ちる。魔人に達したわけでもなく、術衣形態をとったわけでもないのだ。ソレは仕方あるまい」
「……………………………………」

腹に刺さった触手に、ゆっくりと、気取られぬよう腕を絡ませる。
詠唱は終わらせた。何分、今の俺に扱える魔術ではない為、余計に長く詠唱がかかったが。
本来なら更に5工程ほどの詠唱を必要とするのだが、制御を捨てるのであれば、この程度の詠唱でも十分だ。

「ははは、ではそろそろお別れの時間だ。何、安心して朽ちるがいいよ、島国の魔導師」

そういって此方に向けて手の平を向けるエセ老紳士。
さて、今回最後の俺の命の掛けどころだ。三流にも届かぬ五流魔導師の最後っ屁、篤と喰らうがいい!!

「――いあ、くとぅぐあ!!」
「んなっ!?」

突如として現れる窮極の炎。それは俺の躯を触媒として表れ、突如として地上に小さな太陽を作り出す。
炎の神性として語られる旧支配者、クトゥグア。その炎は、今の俺では当然御する事もできず、俺ごと世界を燃やし尽くす。
そう、エセ老紳士ごと。

「ぬぐおおおおお、おのれ、旧支配者をもって自爆をおおお」
「――逃がさんよ、じじい」

残された全生命力を対価とした拘束術式。

「お、おのれえええええ!!!」
「あんたの、命……一つ、削った……!!」

そうして、俺の意識は灼熱の中に解けて消えた。









3周目

ああ腹立つ。あの糞ジジイ。いま漸く思い出したけど、アレってウェスパシアヌスだよな?アンチクロスの上位一角。C計画の巫女製造担当。
忘れない内にその情報をメモしつつ、あの後のことを考える。
捨て身のクトゥグア召喚をかましてやったが、多分あいつ生きてるんだろうなぁ。
何せあいつ、自分の命含めて、三つの人面瘤とあわせて4つの命をもってるんだから。どこの12の試練だ、ってんだ。

とりあえず、今週は最初から魔導の研鑽に取り組もうと思う。
ちくせう、折角あそこまで魔導を磨いたというのに、最初からやり直しだ。





6歳、父親の出張に付き合って、前回と同じく魔導書を入手。帰国して早々に訓練を始めたのですが、どうにも何か、魔術の習得効率が早い。いや、前回の経験と言うのも有るのだろうが、ソレにしては妙に魔術の運用効率も佳くなっているような……?

まさか、ループによる魂の変質? でもあれは、あくまで白の王と黒の王に適用される物じゃ――ああそうか、前提として「ループを繰り返している」白の王と黒の王のため、なのか。つまり、イレギュラーでループしている俺にも適用されてしまっている、と?
んな馬鹿な。妄想も大概にしておきなさいと。

とりあえず魔術の修練を開始しつつ、今回は錬金術の分野にも手を出してみた。
何分、単純に魔術の修練だけでは成果として形に表れにくいのだ。
その点、何等かの魔法薬の精製などに転用できる錬金術は、割と応用が効く。
おかげで今回は、魔術趣味の変人扱いながら、いざと成ったら頼りに成る魔術師扱いだ。いいけどさ。

さて、今回の周回では、とりあえずもう少し魔術師としての階位を上げる事に専念する。
まぁ、俺の技能が引継ぎされるかどうか、と言う問題は有るものの、実際前回よりも習得効率が上がっているのは事実。腕は磨いておいて、損は無いだろう。









4周目。

気付いたら、近所の魔術師さんとして名を上げた俺は、最終的にダゴンに踏み潰されて死にました。

はぁ。なんだろうね、もう。ダゴンってなによ、ダゴンて。いや、もしかしたらその番のほうかもしれないが。
海産物に踏み潰されて死亡て。はぁ。

然し、前回の事実で理解した。要するに、魔術師では駄目なのだ。魔導師ではないと。
魔術を極めるのが俺の目的なのではない。魔術を用いて戦う道を逝くもの。魔導師でなければ。

10歳。例の如く魔導書を入手したおれは、こっそり地味に旅に出ることにした。勿論両親には黙って。


最初に訪れたのは、日本の地下某所、九頭龍を崇拝するという邪神崇拝教。
如何見ても深き者共という外見、インスマウス面というやつだ。
魔術的にはフサッグァを辛うじて扱える程度という低い階位の俺には、とてもではないが連中を駆逐しせしめる事なんて無理だ。

なので、とりあえず洞窟の出入り口を封鎖して、入り口から大量の煙でいぶしてやる事にした。

戦場で最も恐ろしいのは炎ではなく、立ちこめる煙なのだ。
とは、誰の言葉であったか。
暫くして洞窟の中に入ると、見事にインスマウス面は全滅していた。
術衣形態なんてとれないが、魔術により自分を含めた狭い領域を異界とすることで煙の害を無効化し、煙に満ちた洞窟の中を鍛造したバルザイの偃月刀片手に進む。石柱でできた円陣を叩き壊しながら進むと、その中で不意に小さな魔力を感じた。
何だろうかと身構えながら進むと、其処にあったのは一匹のインスマウス面と、その腕に抱かれた魔導書らしきものが一冊。
感じる魔力は、辛うじて新訳を上回るか、といった程度のもの。とりあえず拝借し、最後洞窟のそこ等中にハッパを仕掛けて退散した。



この魔導書を見るに、やはり連中はクトゥルーの信者で間違いない様子だ。問答無用で叩き潰したが、うん。
とりあえずクトゥルーに関する知識――といっても日本語訳で意味不明になっていたが――の水神祭祀書から知識を得た後、それを焼却処分する。
普通の炎では燃え辛かろうが、クトゥグアの眷属の炎を使えば、ある程度の物までは燃やすことが出来るのだ。

そうして、取り敢えずの日本国内魔導珍道中を繰り返す。
魔術師としてはある程度の階位に達していたであろう俺だが、どうにも魔導師としての階位は素人そのものだった様だ。
辛うじて生き残る事はできたものの、何だかんだでボロボロに成ってしまった。

ふと、なんで自分はこんなマゾい事してるんだろうか、と思う。
なるほど、他にすることが無いからか。
俺はあくまで一般人。この世界に訪れたからといって、無限に近い世界をループするかもしれない中で、そうそう同じ事ばかり繰り返していれば、間違いなく俺は磨耗する。
実際、まだ4度しかループしていないというのに、既に俺の心は磨耗している。これは、洒落にならない。

低い階位ながら、ボチボチ戦える程度の力を手に入れて、漸く故郷の土地に帰ってきた。
ら、なにやら空の雲色が突然怪しくなってきた。
生臭い水の臭い。――これは。

そうして現れた破壊ロボの群。
なるほど、今周はここまでか。








5周目。

新訳の入手まではパターンなのだと判断していたのだが、どうやらソレは早計というものだったらしい。日本でも手に入ったのだ。魔導書が。
父親がアメリカに行くまで暇だと判断していた俺は、普段自らの記憶にプロテクトを掛ける事にしていた。
一定以上の危険が自らに訪れたと判断しない限り、一定条件を満たすまでは自らの記憶にプロテクトが掛かる、と言う代物だ。
流石に40年近く魔導師をしていれば、魔導書無しでも多少の魔術は使える。

そうして、近所の餓鬼と戯れる中、ある日訪れた近所の洋館。
いかにも何か出そうな雰囲気のその館。聞けば、第二次世界大戦中にドイツとの物輸を行っていた家なのだとか。
当主は存命であるものの、此処は本家ではなく分宅で、普段は建物の外側の庭は開放されているのだそうだ。

で、当然の如くその洋館に忍び込んだ俺達は、その中である一室を発見した。
何をしても開く事の無い、硬く閉ざされた扉。ソレを見た瞬間、俺の中に設けられたプロテクトが弾けとんだ。

なんじゃこりゃ、と。

凄まじいまでの魔術的防御。いや、防御と言うよりは封印か。
中と外を別の世界と定義する魔術的結界。よくもまぁこの日本で此処まで魔術的な仕掛けを施せたこと。
驚きつつ、その日はガキ共と一時帰宅。その日の晩、再び屋敷に潜入したのだ。

そうして訪れた屋敷の中。なんとかプロテクトを解除して侵入した屋敷の中。
そこは驚いた事に、一種の異界となっていた。
修められた書籍と書籍。それだけではなく、半紙に綴られた手稿の様なものもあれば、中にはただ重ねられた羊皮紙のようなもの、パピルスのようなものまでが修められていた。

当時の此処の主は、オカルト趣味にでも傾倒していたのか、などと考えていたら、ふと目に付いたソレ。
慌ててその場から距離をとり、改めてその背表紙に目を向ける。
黒い皮の装丁に、鉄の留め金。
辛うじてドイツ語だとわかるソレ。放つ気配は、新訳英語版と比べるのも馬鹿馬鹿しくなるソレ。
とてもではないが、今の俺には扱えない。そう判断して、その冊子は開く事すらせずに棚に収めなおした。

そうして、新たに蔵書を調べようとして再び身を引く。
書籍、戯曲「黄衣の王」。何でこんなモノまで此処に。
内心で心臓が痛くなりつつも、とりあえず部屋の中に用意された机に座り、持ち込んだ大学ノートを使ってその内容を模写する。
ドイツ語らしきもので訳されているのだが、幸い俺はドイツ語なんぞ読めやしない。そのおかげか、若干頭に外道の知識が流れ込んで来はしたものの、精神汚染は休息を取れば何とかなる程度の物で済んだ。
第一章まで写し終え、魔導書から放たれる誘惑を断ち切り、書籍を棚に仕舞いなおす。
何せアレ、二章まで目を通してしまうと、なにやら悲惨な末路をたどる事になるらしい。
魔導書、怖いね。

一息ついて、漸く俺にも扱えそうな魔導書を発見する事ができた。
ラテン語版ネクロノミコンである。

いやいやいやいやいや。なんで此処にあるよ!?
ラテン語版ネクロノミコンといえば、ミスカトニックの秘密図書館の目玉商品――商品ではないな。まぁ、ミスカトニックの秘密図書館に蔵書されている中でも、1~2を争って力を持つとされる魔導書だ。
よりにもよって、なんで日本の、それもこんな古びれた洋館に封印――といえば聞こえは良いが、要は放置されてるの?
これ、外道すらも欲し求めるほどには幅広く知識を与える優秀な魔導書なんだけど???

このラテン語版、俺では辛うじて読めるが、階位的には長時間読み続ければかなり危険、とされる程度には力を持っている。
危険度としてはまぁまぁなのだが、他の魔導書に比べればいきなり寝首を掻くような真似はまずしない――とおもう。魔導書なんぞ、ソレこそ意志を持たない限りはただの外道の知識なのだから。

とりあえず手に入れたソレを鞄に仕舞いこみ、洋館の秘密図書室を後にする。
部屋の外から厳重に再封印を施し、万が一にも偶然で開く事の無い様に。

……とりあえず、今周は、このラテン語版を元に、一週ぶりに研鑽かな。



破壊ロボ多数撃破。
ダゴン(?)一体撃破。然し番らしきもう一体に敗北。
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| 2013.11.29 16:23 | 編集
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